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「夢遊病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢遊病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
《きれつ》の入るような早さで、見る間に私の眼界から消え去ってしまいました。私は、夢遊病患者《ソムナンビュウル》のように、茫然として妻に近づきました。が、妻には、....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
呼びかけた。その言葉には何か乞食の心を支配する力があるらしかった。乞食はほとんど夢遊病者のように、目はやはり上を見たまま、一二歩窓の下へ歩み寄った。保吉はやっと....
或る女」より 著者:有島武郎
かみを覚えるように思った。そこには若者の熱い涙が浸《し》み込んでいるのだ。葉子は夢遊病者のような目つきをして、やや頭を後ろに引きながら肩の所を見ようとすると、そ....
或る女」より 著者:有島武郎
えて落ち付き払ったひとみを静かに働かして、部屋の中を静かに見回していたが、やがて夢遊病者のように立ち上がって、戸棚《とだな》の中から倉地の寝具を引き出して来て、....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
頼んですごすごと競馬場を出た。彼れは自分で何が何だかちっとも分らなかった。彼れは夢遊病者のように人の間を押分けて歩いて行った。事務所の角まで来ると何という事なし....
クララの出家」より 著者:有島武郎
て来た。彼らは広場の手前まで来た。そして彼らの方に二十二、三に見える一人の青年が夢遊病者のように足もともしどろとして、石畳から眼をはなして、自分を囲むいくつかの....
地獄街道」より 著者:海野十三
の寝床から脱け出させる。現とも幻ともなく彼は服を着て、家の外にとび出すのだ。一寸夢遊病者のようになる」 「まさか――」 「事実なんだから仕方がない。その擬似夢遊....
」より 著者:海野十三
それから筋を考えるように次から次へと、先を考えてゆくのです。そして最後に、自分が夢遊病者であって、妻を殺してしまったというところまで考えると、それで一段落になる....
三人の双生児」より 著者:海野十三
。 「それはこうなのでございますわ。あたくしはどうしたものか、極く小さいときから夢遊病を患っていたのでございます。それで夜中に起きてどこかへ行ってしまうようなこ....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
のうちに彼は、重大な発見に、卒倒《そっとう》しそうになった。というのは、客席から夢遊病者のようにふらふらと舞台へあがって来た青年こそ、隆夫にそっくりの人物だった....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
生活を穢土と罵り、途中の階段をヌキにして、一足飛びに極楽浄土にでも行こうとあせる夢遊病患者に対して、絶好の戒飭である。 第四章 各種の霊媒能力 問『....
決闘場」より 著者:岡本かの子
気の中で、すがすがしい緑樹の蔭で、時には打ち解けてワルトンを懐かしそうに見えた。夢遊病者のように幽幻に彼女が振舞うのにワルトンは暫らく見とれた。が、それ等の彼女....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
からあらゆる角度の屈折光線がその作意をフォーカスする。で、客はただもう貴族趣味の夢遊病者となって、われ知らず飲み、喰い、踊る。客をそうして狂わせて置き乍ら、その....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
称揚する事はあっても革命党に対してはトンと同感が稀く、渠らは空想にばかり俘われて夢遊病的に行動する駄々ッ子のようなものだから、時々は灸を据えてやらんと取締りにな....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
差込む月の光が蒼白いためか、夫人の顔は幽霊みたいに蒼く見えるのです。そしてまるで夢遊病者のように、ふらふらと扉を開けて中に吸い込まれてしまいました。 私は急い....