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「大して〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大しての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
さまに深みへ落ちこんでしまった。 彼の河へ落ちた所は、ほかの若者たちがいる所と大して離れていなかった。だから彼の失敗はすぐに彼等の目にもはいった。彼等のある者....
或る女」より 著者:有島武郎
ば、妹たちも今申したとおり塾《じゅく》に入れてしまいますし、この後はこれといって大して御厄介《ごやっかい》はかけないつもりでございます。赤の他人の古藤さんにこん....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ように言った。 「あの少年はどうなったろう。道を踏み迷わないでいてくれ。自分を誇大して取り返しのつかない死出の旅をしないでいてくれ。もし彼に独自の道を切り開いて....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るために、なかんずく必要な野獣を飼い馴らすことを覚えるようになっても、事情はまだ大して変らなかった。ところがこの獣類を飼養するには、季節に応じて変ってゆく牧場を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
。だからして簡単には正面が抜けない。第二にフランス革命の頃は、国民皆兵でも兵数は大して多くなかったのですが、第一次欧州戦争では、健康な男は全部、戦争に出る。歴史....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
て倒れて居るのを、二人の水夫が茫然立って見て居た。 私の心にはイフヒムが急に拡大して考えられた。どんな大活動が演ぜられるかと待ち設けた私の期待は、背負投げを喰....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
にも触れそうに、ビシャビシャと竹の尖を振うのは勿体ない。大慈大悲の仏たちである。大して御立腹もあるまいけれども、作がいいだけに、瞬もしたまいそうで、さぞお鬱陶し....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ましよ。」 「と、ともかく。ですからな、夫人、人が来ない内に、帰りましょう。まだ大して人通もないですから。疾く、さあ、疾く帰ろうではありませんか。お内へ行って、....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
舎へ来ていたんだ。あの人は、私が世話になってる叔父が媒酌人で結婚をしたんだろう。大して懇意ではないが見知越でいたのだった。 ちょうど戦争のあった年でね。 主....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
代りに母の指導役のお爺さんが早速姿を現わしましたので、母は名残惜しげに、それでも大して泪も見せず、間もなく別れを告げて帰り行きました。 『矢張り生みの母は有難い....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、同じ町のなかで知っている同士が、いやもっと近く、ついお隣同士が往きかいするのと大してちがったことではありません。でも、この下界では心臓を電気にうたれると、から....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
は代りに見てくれる故、甚便利なり。 十三、絵や音楽にも趣味ある事。但しどちらも大してはわからざる如し。 十四、どこか若々しき所ある事。 十五、皮肉や揚足取....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
れた了簡をさらけ出すようで、きみの前で言うのもお恥かしいがね、……さいわい夜だ、大して満員でもなさそうだから切符を買った。が、目的はただ一つなんだからね、(拳銃....
可愛い山」より 著者:石川欣一
米。信州の北境、北小谷、中土の両村が越後の根知村に接するところに存在する。元より大して高い山ではないし、またいわゆる日本アルプスの主脈とは離れているので、知って....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
第一歩に入り戦争の絶滅を見るに至るであろう。 人類歴史は政治的統一範囲を逐次拡大して来たのであるが、それは文明の進歩に依り主権の所有する武力が完全にその偉力を....