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大兄
「大兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
つまらんと思う。吉田潔。」 「冠省。首くくる縄切《なわき》れもなし年の暮。私も、
大兄お言いつけのものと同額の金子《きんす》入用にて、八方|狂奔《きょうほん》。岩....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
うからね。山猫だって屍虫《しでむし》だって、てんで寄りつかないにきまってますわ。
大兄さん、いったい肝ぐらい喰べたって何になるのさ」 時江はおりおりこのように、....
「新生」より 著者:島崎藤村
い子供等を残してこうした旅に上って来たか、その自分の心事は誰にも言わずにあるが、
大兄だけにはそれを告げて行かねば成らないと書いた。多くの友人も既にこの世を去り、....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
光を以て批評せられ大にヘコミ居申候ことに御座候、先づは御返事まで※々不一 烏水
大兄 九日花袋 半紙一枚に、墨筆で書いてある。状袋の裏には、牛込区若松町百卅七....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
上り申候。神許し玉はば、一年の後には帰り来り、或は御目にかかるの機会ある可く候。
大兄願はくば金玉に躯を大切に、渾ての点において弥々御精進あらんことを切に祈上候。....
「阿繊」より 著者:田中貢太郎
です。今、返っていったなら、いやな顔をせられるのでしょう。もしまた帰るとなれば、
大兄さんと別家するのですね。でなければ私は死んでしまいます。」 嵐はそこで帰っ....
「五通」より 著者:田中貢太郎
飲まなかった。 四郎はじめ三人の者は、互いに杯をさしあって酒を飲みながら、 「
大兄。」 「三弟。」 などと呼びあった。 夜半ごろになって上座に坐っていた二....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
補ひつ」と云ったのは恣に過ぎた観があっても或は真相を伝えたものかも知れない。「中
大兄三山歌」(巻一・一三)でも「御」の字が無い。然るにこの三山歌は目録には「中大....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
入鹿もそうですが、ことに入鹿は聖徳天皇の皇子、つまりヒダ王家の本当の嫡流たる山代
大兄王を殺して自分が皇位に即いていますが、実際は架空の人物で、彼は彼が殺した筈の....
「机と布団と女」より 著者:坂口安吾
新年おめでとうございます。 どうも先生は私より二十何年か先輩でありますから、
大兄もヘンだし、安吾さんもおかしい。失礼と存じまして、先生と呼んだんで、根が小心....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
『大化改新』において、額田女王との恋と、国家革新の使命とに板ばさみとなった青年中
大兄皇子をしてついに恋愛をすてて政治的使命を選ばしめた。アレキサンダーがペルシア....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
って、天皇記と国記を焼いたそうだ。もっとも恵尺という男が焼ける国記をとりだして中
大兄に奉ったという。 蘇我氏の亡びるとともに天皇家や日本の豪族の系図や歴史を書....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
また面白く存じ候。人事的時間的の句中甚だ新にして美なるもの有之候様に被存候。然し
大兄の御近什中には甚だ難渋にして詩調にあらざるやの疑を起し候ものも有之様存候。(....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
彦皇子・眉輪王等とともに、雄略天皇の為に家ぐるみ焼かれてしまった。蘇我入鹿が山背
大兄王を斑鳩宮に焼かしめた時には、灰中の遺骨を見て王既に死し給うと誤解したという....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
配してゐましたが、このごろ甘雨が降ります。皇国の大業の成る証です。それにつけても
大兄等将士の御奮戦に対して感謝無限にていつも涙が出ます。」というのである。この頃....