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「大動脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大動脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
に軟くて弾力のある肉付の所有者だった。銃丸は心臓の丁度真上にあたる部分を射って、大動脈を破壊してしまったものらしい。第一、第二の犠牲者に比して創口はすこし上方に....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
り取るのだが、そのまゝメスをあてゝは出血のために手術が出来なくなるから、大静脈、大動脈、肺静脈、肺動脈等の大血管を悉く糸をもってしばり、然る後にメスを以てそれ等....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、その制度変革の影響はどこまで及んで行くとも見当がつかなかった。当時交通輸送の一大動脈とも言うべき木曾街道にまで、その影響は日に日に深刻に浸潤して来ていた。 ....
斜坑」より 著者:夢野久作
出来上りがガッチリしていて評判がなかなかよかった。現にタッタ今|潜って来た炭坑の大動脈ともいうべき斜坑の入口なぞも、去年の夏頃に源次が一度手を入れたものであった....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
せて私を仰いだ。 「……モット……モット恐ろしい物なんです。兄さんの心臓に大きな大動脈瘤が在るんです」 「フーム。大動脈瘤……」 私は動脈瘤の恐ろしさを知って....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
る岩壁の森林は、未だ暗黒で、幾分の夜の残りが漂っているようである、そうして梓川の大動脈を間に挟んで、霞沢岳は穂高岳とさし向いになっている、両方の山とも、鋸の歯の....
十二支考」より 著者:南方熊楠
鳴く時客人一同座に就く。牛は戸辺にあって流血少なし。屠者骨より肉を切り離すは腿や大動脈のある処を避く。ついに腿の肉を切り取るに及び牛夥しく血を出して死す。死んだ....
微妙な人間的交錯」より 著者:宮本百合子
ジャーナリズムのこの機微と読者の声、要求との関係の中にこそ案外にジャーナリズムの大動脈が通っているのではあるまいか。 ジャーナリズムは夥だしい功罪ともども読者....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
には、巨きな爬蟲の姿が連想されてくる。 創は心臓のいくぶん上方で、おそらく上行大動脈を切断しているものと思われたが、円形の何か金属らしい、径一|糎ほどの刺傷だ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
手を軽く持ち添えると、がくがく震わしながら、右の頸部へ、刀尖を当てた。そうして、大動脈の筋を探していたが、探し当てたらしく、左手で、刀尖を狂わぬよう押しつけて、....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
えたのです。全身をめぐって来た大静脈の血液を喞筒の中へ受取り、これを活栓によって大動脈に送り出すという極めて簡単な原理で人工心臓が出来上ります。活栓を動かすには....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
た傷負は、 「一|刻ちがいッ……」 とまたいった。 そうして、ビク、ビク、と大動脈から息を吐き出すように痙攣する。 「とどめを」 と思って孫兵衛が探りかけ....
三国志」より 著者:吉川英治
昇らんがためである」 大河は大陸の動脈である。 支那大陸を生かしている二つの大動脈は、いうまでもなく、北方の黄河と、南方の揚子江とである。 呉は、大江の流....
三国志」より 著者:吉川英治
めぐり流れる水は、岷江、金沱江、※江、嘉陵江などにわかれては、またひとつ揚子江の大動脈へ注いでくる。 四川の名は、それに起因る。河川流域の盆地は、米、麦、桐油....