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大口
「大口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
でしょう。僕はある時医者のチャックと産児制限の話をしていました。するとチャックは
大口をあいて、鼻目金《はなめがね》の落ちるほど笑い出しました。僕はもちろん腹が立....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
う。ああよく通ったね」 「また壅《つま》ったときは、いつでも持ってお出でなさい」
大口|開《あ》いて馭者は心快《こころよ》げに笑えり。白糸は再び煙管を仮《か》りて....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
たが、婦人《おんな》は何気《なにげ》ない体《てい》であった。
親仁《おやじ》は
大口を開いて、
(留守におらがこの亭主を盗むぞよ。)
(はい、ならば手柄《てがら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
食うものはこれだけか。」 と酒井は笑みを含んだが、この際、天窓から塩で食うと、
大口を開けられたように感じたそうで、襖の蔭で慄然と萎んで壁の暗さに消えて行く。 ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
より掣肘される。即ち近時の機関銃の出現と築城の進歩とは防禦威力を急速に高めたが、
大口径火砲の大量使用は一時、敵線の突破を可能ならしめた。しかるに陣地が巧みに分散....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
の盤 かちかちかちかち。 歯を噛鳴らす音をさす。女童等、走り近く時、面を差寄せ、
大口|開く。 もおう!(獣の吠ゆる真似して威す。) 女董一 可厭な、小父さん。 ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
「買うてやらさい。旦那さん、酒の肴に……はははは、そりゃおいしい、猪の味や。」と
大口を開けて笑った。――紳士淑女の方々に高い声では申兼ねるが、猪はこのあたりの方....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ゃるで、機織場の姉やが許へ、夜さり、畦道を通う時の高声の唄のような、真似もならぬ
大口利いて、果は増長この上なし、袖を引いて、手を廻して、背後から抱きつきおる。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
の核を、ぴょいぴょいと桟敷中へ吐散らして、あはは、あはは、と面相の崩れるばかり、
大口を開いて笑ったっけ。 (鉄砲|打て、戦争|押始めろ。大砲でも放さんかい、陰気....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たるは小親にこそ。 髪のいと黒くて艶かなるを、元結かけて背に長く結びて懸けつ。
大口の腰に垂れて、舞う時|靡いて見ゆる、また無き風情なり。狩衣の袖もゆらめいたり....
「露肆」より 著者:泉鏡花
縁に、馬乗提灯を動き出しそうに据えたばかり。店も何も無いのが、額を仰向けにして、
大口を開いて喋る……この学生風な五ツ紋は商人ではなかった。 ここらへ顔出しをせ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
り、眼は大蛇の穴のごとく、額の幅約一尺にして、眉は栄螺を並べたよう。耳まで裂けた
大口を開いて、上から境を睨め着けたが、 「これは、」 と云う時、かっしと片腕、....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ウオオオオ! 肩を聳て、前脚をスクと立てて、耳がその円天井へ届くかとして、嚇と
大口を開けて、まがみは遠く黒板に呼吸を吐いた―― 黒板は一面|真白な雪に変りま....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
りなき思を籠めた鈴のような目を瞠って、瓜核形の顔ばかり出して寝ているのを視めて、
大口を開いて、 「あはは、あんな顔をして罪のない、まだ夢じゃと思うそうだ。」 ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ねえか、」 「いやあ、お寒う。」 「やっぱりそれだけは感じますかい、」 親仁は
大口を開いて、啣えた煙管を吐出すばかりに、 「ははははは、」 「暢気じゃあ困るぜ....