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大味
「大味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
折竹にはそういう反面もある。童顔で、いまの日本人には誰にもないような、茫乎とした
大味なところがある。それに加えて、細心の思慮、縦横の才を蔵すればこそ、かの世界の....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
こま》やかな味のある戦であり、鎗《やり》、刀、血みどろ、大童《おおわらわ》という
大味な戦では無いのである。 ここに不明の一怪物がある。それは云う迄もなく、殊勝....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
色がだんだんよごれて、灰色になってくる。あまり美くしいものではない。西洋の雪は、
大味だよ。然し、ドイツらしくて面白い。やはりドイツは冬が来なくては、ほんとにドイ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
帆村はなにくわぬ顔をして、卓子のところへ戻ってきた。 次から次へと搬ばれてくる
大味な料理をどんどん片づけながら、帆村は壁に貼ってある時間表へしきりに目をやって....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
ければならない。素朴でなければならない。もう少し肉太でなければならない。もう少し
大味でなければならない。また彼の京都弁のごとく、大市のすつぽん料理のごとく、彼自....
「だしの取り方」より 著者:北大路魯山人
大きいものがやはりかつおぶしにしても美味だ。見たところ、堂々としていても、本節は
大味で、値も亀節の方が安く手に入る。 次に削り方だが、まず切れ味のよい鉋を持つ....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
のところがちょうど美味本位に当たるので、一貫目から一貫目以上になると、非常に味が
大味になります。しかし、味はたとえ落ちても、大きいたいの頭を兜蒸しなどに使うのは....
「鱧・穴子・鰻の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
幅が、せいぜい一寸から一寸五分以下のものにかぎる。 大きいのはなんに用いても、
大味で駄目なものだ。うなぎの大串はまだしも、あなごの大串に至っては、絶対におもしろくない。....
「鮎ははらわた」より 著者:北大路魯山人
四、五寸ぐらいまでのものである。それ以上に大きく育ったものは、第一香気が失われ、
大味で不味い。卵を持ち始めると、そのほうへ精分を取られるためか、香気を失うばかり....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
わけにはいかない。 ひらめの洗いづくりもやられないことはないが、東京のひらめは
大味で、且つ平凡だ。 すずきの洗いづくりは、一般に三百匁ぐらいのものが一番美味....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
の工夫を要するものとしたい。孟宗の終るころ、はちく・やだけ・まだけが出て、孟宗の
大味にひきかえ、乙な小味を楽しませてくれる。 (昭和十三年)....
「猪の味」より 著者:北大路魯山人
うことにした。 食ってみると、ゴツイのなんの、肉があらっぽくコリコリしている。
大味で、不味い。大失敗であった。ただし、脂肉はすこぶる美味かった。これに懲りて、....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
ね。 * 巷間ありふれた中国料理を是認してみたり、トンカツという
大味なものを食って、なんのいぶかりもなく暮している今の日本人。茶道などというもの....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
とは論ずるまでもない。大きさで言うと、四百匁、五百匁というところだ。それから上は
大味で、美味いもの食いには駄目だ。もっぱら大臣就任祝賀用だ。むしろ、小さいほうに....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
よく会釈した。 「舞台のまんまの、舞台もふだんもちッとも違わない、気のいゝ、ごく
大味な……」 すぐ、また、田代のそばからそういいかけるのを「黙ってろよ、うるさ....