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「大屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ては不便だと気がついて、次郎左衛門は敵の廻らないうちに、自分から先きに窓を破って大屋根の上に逃げて出た。風は暁け方から吹きやんで、三月の朝の空は眼を醒ましたよう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出来事である。浅草|田町《たまち》の袖摺稲荷のそばにある黒沼孫八という旗本屋敷の大屋根のうえに、当年三、四歳ぐらいの女の子の死骸がうつ伏せに横たわっていたが、屋....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かろうかと、こう云うんです。そりゃあ俺のところまで相談に来ることはねえ、なぜ早く大屋さんやお長屋の人達にしらせて、なんとか始末を付けねえんだと叱言を云ったような....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して逃げ出して来た。明るい往来に出て、初めてほっとしながら見かえると、津の国屋の大屋根に大きな鴉が一匹じっとして止まっていた。それが又なんだか仔細ありそうにも思....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
、そっちを見ると、電纜工場だけが、睡り男の心臓のように、生きていた。高い、真黒な大屋根の上へ、鉛を鎔かす炉の熱火が、赫々と反射していた。赤ともつかず、黄ともつか....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、がたぴしと鳴って、軒行燈がばッばッ揺れる。三味線の音もしたけれど、吹さらわれて大屋根へ猫の姿でけし飛ぶようさ。何の事はない、今夜のこの寂しい新地へ、風を持って....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
れると、ひょいひょいと三人出た……団粟ほどな背丈を揃えて、紋羽の襟巻を頸に巻いた大屋様。月代が真青で、鬢の膨れた色身な手代、うんざり鬢の侠が一人、これが前へ立っ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ちらちらと点れる、灯の数ほど、ばらばら誰彼の人通り。 話声がふわふわと浮いて、大屋根から出た蝙蝠のように目前に幾つもちらつくと、柳も見えて、樹立も見えて、濃く....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
る。砂礫を捲いて、地を一陣の迅き風がびゅうと、吹添うと、すっと抜けて、軒を斜に、大屋根の上へ、あれあれ、もの干を離れて、白帷子の裾を空に、幽霊の姿は、煙筒の煙が....
化鳥」より 著者:泉鏡花
時、寺の門を叩いたこともあったそうだし、人の庖厨へ忍び込んで、鍋の大いのと飯櫃を大屋根へ持って、あがって、手掴で食べたこともあったそうだし、ひらひらと青いなかか....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
顕れました。と見ると、怪し火は、何と、ツツツと尾を曳きつつ、先へ斜に飛んで、その大屋根の高い棟なる避雷針の尖端に、ぱっと留って、ちらちらと青く輝きます。 ウオ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
と。 及び軍鶏も、その柳屋の母娘も、その後行方の知れない事とは、同時に焼けた、大屋の隠居、酒屋の亭主などは、まだ一ツ話にするが、その人々の家も、新築を知らぬ孫....
註文帳」より 著者:泉鏡花
い。ただ遥に空を衝いて、雲のその夜は真黒な中に、暗緑色の燈の陰惨たる光を放って、大屋根に一眼一角の鬼の突立ったようなのは、二上屋の常燈である。 五助は半身水口....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
育ったのが、暗い国へ来て、さぞ、どんなにか情なかろうと最惜がって、祖母さんがね、大屋根の雪は辷る、それは危いもんだから、母親の寝ていた下屋の屋根を這って、真中は....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
鉱山部落や、山腹あたりに延びている大通洞の輸車路や、雪崩のように傾斜した精錬所の大屋根を途すがら眺めただけで、灯点しごろ所長の家へ入った。土田の令兄は、いかにも....