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大工
「大工〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大工の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
のに美しい町は一つもなかった。美しい家も一つもなかった。殊に彼の家のまわりは穴蔵
大工だの駄菓子屋だの古道具屋だのばかりだった。それ等の家々に面した道も泥濘の絶え....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
で下さい。
何《なん》でも明治三十年代に萩野半之丞《はぎのはんのじょう》と言う
大工《だいく》が一人、この町の山寄《やまよ》りに住んでいました。萩野半之丞と言う....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ったと云う田口《たぐち》一等卒《いっとうそつ》は、同じ中隊から選抜された、これは
大工《だいく》だったと云う、堀尾《ほりお》一等卒に話しかけた。
「みんなこっちへ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
城の生活の豪奢《ごうしゃ》を極めていた祟《たた》りであろう。その証拠にはナザレの
大工の子は、四十日の断食しかしなかったようである。
又
悉達多は車匿....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、お敏の両親が生きていた内は、つき合いさえしなかったものだそうです。何でも代々宮
大工だったお敏の父親に云わせると、「あの婆は人間じゃねえ。嘘だと思ったら、横っ腹....
「星座」より 著者:有島武郎
は感じた。
「そりゃ貴様、氏と生れださ。貴様のような信州の山猿、俺のようなたたき
大工の倅には考えられないこった。ブルジョアといえば森村も生れは土百姓のくせにいや....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
一 埃 僕の記憶の始まりは数え年の四つの時のことである。と言ってもたいした記憶ではない。ただ広さんという
大工が一人、梯子か何かに乗ったまま玄能で天井を叩いている、天井からはぱっぱっと埃....
「春昼」より 著者:泉鏡花
貼りつけてないのは殆どない。 彫金というのがある、魚政というのがある、屋根安、
大工鉄、左官金。東京の浅草に、深川に。周防国、美濃、近江、加賀、能登、越前、肥後....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
勢のいいのでなく、田船を漕ぐお百姓らしい、もっさりとした布子のなりだけれども、船
大工かも知れない、カーンカーンと打つ鎚が、一面の湖の北の天なる、雪の山の頂に響い....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
様はさしてその時分と変って居ないようでした。普請はもう八|分通りも進行して居り、
大工やら、屋根職やらが、何れも忙がしそうに立働いているのが見えました。 『お爺さ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
これを解決すべき実験の方法を熟考する。新しい道具が入用と思えば、その図を画いて、
大工に言いつける。あとから変更するようなことはほとんどない。またもし実験の道具が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
できるとしても、出るときにはいささか困惑するにちがいない。おそらくこの思いつきは
大工のヨースト・ヴァン・ホーテンが鰻落しのからくりから借りてきたものであろう。校....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
いた。彼はむかしその家に住んでいた。土地の百姓のむすめを妻に迎えると、この男は車
大工を稼業にして暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯を....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
低くなって、一杯の潮は凸に溢れるよう。左手は洲の岬の蘆原まで一望|渺たる広場、船
大工の小屋が飛々、離々たる原上の秋の草。風が海手からまともに吹きあてるので、満潮....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
たるべき決戦戦争では作戦目標は軍隊でなく国民となり、敵国の中心即ち首都や大都市、
大工業地帯が選ばるる事が既に今次英独戦争で明らかとなっている。 すなわち国民皆....