大差[語句情報] »
大差
「大差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
'home est rien と言わないにもせよ、わたしたちは「人として」は格別
大差のあるものではない。「人として」のボオドレエルはあらゆる精神病院に充《み》ち....
「河童」より 著者:芥川竜之介
た。もちろんこの国の文明は我々人間の国の文明――少なくとも日本の文明などとあまり
大差はありません。往来に面した客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、それか....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
ばかりではない。日本もまた小児《しょうに》に教える歴史は、――あるいはまた小児と
大差のない日本男児に教える歴史はこう云う伝説に充ち満ちている。たとえば日本の歴史....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
も勿論僕自身に何の損害も受けない限り、決して土匪は嫌いではなかった。が、いずれも
大差のない武勇談ばかり聞かせられるのには多少の退屈を感じ出した。
「そこであの女....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ショオペンハウエルは、――まあ、哲学はやめにし給え。我我は兎に角あそこへ来た蟻と
大差のないことだけは確かである。もしそれだけでも確かだとすれば、人間らしい感情の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、屈託そうな面色で、露店の三世相を繰るとなると、柳の下に掌を見せる、八卦の亡者と
大差はない、迷いはむしろそれ以上である。 所以ある哉、主税のその面上の雲は、河....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
器の進歩ではありません。フリードリヒ大王の使った鉄砲とナポレオンの使ったものとは
大差がないのです。社会制度の変化が軍事上の革命を来たした直接の原因であります。こ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
るソ連は、今日アメリカと世界的に對抗し、眞のデモクラシーを呼號しつつ、實はナチと
大差なき共産黨幹部の專制方式をとり、一般國民には多く實情を知らしめない全体主義に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
鞄の口に挟まったのである。……失礼ながらその革鞄は、ここに藤助が饒舌るのと、ほぼ
大差のないものであった。 が、持ぬしは、意気沈んで、髯、髪もぶしょうにのび、面....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
書棚にストリントベルグの「伝説」を見つけ、二三頁ずつ目を通した。それは僕の経験と
大差のないことを書いたものだった。のみならず黄いろい表紙をしていた。僕は「伝説」....
「端午節」より 著者:井上紅梅
方玄綽は近頃「
大差ない」という言葉を愛用しほとんど口癖のようになった。それは口先ばかりでなく彼....
「瘤」より 著者:犬田卯
を丹念にしらべにかかった。 歳入出計二七・六三九、及び二七・八七七、両年度とも
大差なく、そして見事に収支を合せてはいるが、ちょっと気をつけて見ると、会議費二一....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
上って来た事は更めて言うに及ぶまい。事実に逢着すると、着弾の距離と自動車の速力と
大差のない事になる。自動車の方が便利である。 侮辱と唾棄の表現のために、刎ね掛....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して僧と俗とを区別することを得べし。しかれども、その他の新教諸宗は服制平常の人に
大差なければ、僧と俗とを区別することはなはだ難し。 オーストリアはローマ宗の国....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
街が造られているのだ。) 市街はシドニー市、メルボルン市に比するに、人口の点は
大差あれども、家屋の壮観は伯仲の間におる。市内および市外を合わせて、口数十六万九....