大廈[語句情報] »
大廈
「大廈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大廈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
いった。 ―――――――――――― 一抱えに余る柱を立て並べて造った
大廈《おおいえ》の奥深い広間に一間四方の炉を切らせて、炭火がおこしてある。その向....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
はこれと言って頭にとどまっていない。海岸は心騒がしく、山の中は物恐ろしい。立派な
大廈高楼はどうも気楽そうに思われない。頼まれてもそういう所に住む気にはなれそうも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じせいぼ》、その他誰々、当時天下の人物としても恥かしい人物ではないが……なにぶん
大廈《たいか》の覆《くつが》える時じゃ、徒《いたず》らに近藤勇、土方歳三輩の蛮勇....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
動から来たるところの、溌剌《はつらつ》たる肉体の自由がある、弥之助は都会のどんな
大廈《たいか》高楼にも魅惑を感じないが、この原始的生活の植民情味というものには、....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
考えで、大臣になりたいということは第二次の考えで、第一次的根本の考えは馬車に乗り
大廈《たいか》に住《すま》いすることが理想なのである。つまりそれなら馬車会社の馬....
「教育の目的」より 著者:福沢諭吉
のよってきたるところは何処《いずこ》にあるや。竜動《ロンドン》に巍々《ぎぎ》たる
大廈《たいか》石室《せきしつ》なり、その市街に来往する肥馬軽車なり、公園の壮麗、....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
しお》き、徒《ただ》に末に走りて労するものというべきのみ。これを喩《たと》えば、
大廈《たいか》高楼の盛宴に山海の珍味を列《つら》ね、酒池肉林《しゅちにくりん》の....
「西航日録」より 著者:井上円了
シナ国民が泰西の文物を収容して面目を一新するは、いずれの日にありや知るべからず。
大廈のまさに覆らんとするや、もとより一柱一木のよく支うるところにあらざるなり。老....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に白砂の雪のごときあり、あるいは敷くに野草の氈のごときあり。その山と海の間に高楼
大廈、石屋瓦壁の櫛比せるありて、その勝景は、けだし南球中に傑出せるものならん。 ....
「上海」より 著者:横光利一
再び警察へ向って肉迫した。爆ける水の中で、群衆の先端と巡羅とが転がった。しかし、
大廈の崩れるように四方から押し寄せた数万の群衆は、忽ち格闘する人の群れを押し流し....
「三国志」より 著者:吉川英治
加護を信じます。ひそかに、時を待って、彼の虚をうかがっていれば、たとい喬木でも、
大廈高楼でも、一挙の義風に仆せぬことはありますまい。……実は、今日こそ、国舅のお....
「三国志」より 著者:吉川英治
がってこなたへ歩いてくる。 その歌うのを聞けば、―― 天地|反覆火※セント欲ス
大廈崩レントシ一木|扶ケガタシ 四海ニ賢アリ明主ニ投ゼントス 聖主ハ賢ヲ捜ルモ却....
「三国志」より 著者:吉川英治
さやいて、一歩一歩のあいだにも、戦態を作りながら前進していた。 すでに、関門の
大廈が、近々と彼方の山峡に見えた頃である。 楽を奏しながら、錦繍の美旗をかかげ....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。一代の英雄児も病には克てない。彼は昼夜となく、悪夢にうなされた。洛陽の全殿|
大廈も震い崩るるような鳴動を時々耳に聞くのだという。そしてそのたびに、みなぎる黒....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
比較的多しというが如き事実は、必ずしも彼ら一般の状態にはこれ無く、中には堂々たる
大廈高屋に住し、少くも外形上に於いて羨望すべき生活を遂げ、また学識と地位とを有し....