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大急ぎ
「大急ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大急ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
のベエトオフェンを眺めたまま、しばらくは身動きもしそうはないから、その間におれは
大急ぎで、ちょいとこの光栄ある恋愛の相手を紹介しよう。
お君さんの相手は田中《....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
るような吹き降りでございます。私は門の前で※々《そうそう》車賃を払って、雨の中を
大急ぎで玄関まで駈けて参りました。玄関の格子には、いつもの通り、内から釘がさして....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いものではなく、泰さんの店の小僧が一人、蛇《じゃ》の目《め》を一本肩にかついで、
大急ぎで主人の後を追いかけて来たのです。「傘か。」「へえ、番頭さんが降りそうです....
「或る女」より 著者:有島武郎
子はきょう一日に目まぐるしいほどあるたくさんの用事をちょっと胸の中で数えて見て、
大急ぎでそこらを片づけて、錠をおろすものには錠をおろし切って、雨戸を一枚繰って、....
「或る女」より 著者:有島武郎
少し働き疲れると苔香園のほうをうかがったり、台所のほうに気を配ったりしておいて、
大急ぎで葉子のいる所に寄って来た。そして泥《どろ》になった手を後ろに回して、上体....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
に僕の手からぬけ出して、ころころと二、三間先に転がって行くではありませんか。僕は
大急ぎで立ち上がってまたあとを追《お》いかけました。そんな風《ふう》にして、帽子....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
が戦《いくさ》ごっこをしに山に遊びに行って、その乞食を遠くにでも見つけたら最後、
大急ぎで、「人さらいが来たぞ」といいながらにげるのだった。その乞食《こじき》の人....
「星座」より 著者:有島武郎
女たちがそれをおかしがるとなお笑った。
柿江は大黒座を左に折れて、遊廓の大門を
大急ぎで通り越しながら、こんなことを不安に満たされた胸の中で回想していた。
柿....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
かり、その茶屋までのしたのじゃが朝晴でじりじり暑いわ。
慾張《よくばり》抜いて
大急ぎで歩いたから咽《のど》が渇《かわ》いてしようがあるまい、早速《さっそく》茶....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
一つ八っちゃんの頬ぺたをなぐりつけておいて、八っちゃんの足許にころげている碁石を
大急ぎでひったくってやった。そうしたら部屋のむこうに日なたぼっこしながら衣物を縫....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、 「厭な、どうして、こんなに雲脂が生きて?」 五十四 主税が
大急ぎで、ト引挟まるようになって、格子戸を潜った時、手をぶらりと下げて見送ったお....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は出来るであろうという意見で、腕のある画家や、理髪師や、芸術家らを招いて、徹夜の
大急ぎでラザルスの髭を刈って巻くやら、絵具でその顔や手の死びと色の斑点を塗り隠す....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
っしゃるか……そういえばホンにそうでございます。では致方がございません、これから
大急ぎで、一と通りそれを申上げて了うことに致しましょう。 前にも述べたとおり、....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
謂わせねえよ。楼の妓衆たちから三|挺ばかり来てる筈だ、もう疾くに出来てるだろう、
大急ぎだ。」 「へいへい。いやまた家業の方は真面目でございス、捨さん。」 「うむ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
もその期間も大正十五年夏から昭和三年二月までの約一年半に過ぎないのである。研究は
大急ぎで素材を整理したくらいのところで、まだまだ消化したものではなく、殊に私の最....