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「大方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
尾生の信」より 著者:芥川竜之介
さを剰《あま》して、すぐに水と続いている。水際《みずぎわ》の蘆《あし》の間には、大方《おおかた》蟹《かに》の棲家《すみか》であろう、いくつも円《まる》い穴があっ....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
は、あなた方御夫婦も知らない内に、この茶室の床下《ゆかした》へ隠して置きました。大方《おおかた》今夜の盗人のやつも、その金を嗅《か》ぎつけて来たのでしょう。」 ....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
語《ことば》から、もし万一約束を守らなかった暁には、どんなことを私がしでかすか、大方《おおかた》推察のついた事であろう。して見れば、誓言《せいごん》までしたあの....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
んは、私《わたし》の友人のKと云う医者に、こう当時の容子《ようす》を話した。 「大方《おおかた》食中《しょくあた》りか何かだったんでしょう。始めは毎日長火鉢の前....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ざいますまい。しかし、それまでには孫のお栄も、不慮の災難でもございませなんだら、大方《おおかた》年頃になるでございましょう。何卒《なにとぞ》私が目をつぶりますま....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
上へ下って来る。その蒼い※気《こうき》の中に、点々としてかすかにきらめくものは、大方《おおかた》昼見える星であろう。もう今はあの影のようなものも、二度と眸底《ぼ....
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
に、切って見せている。その中に、空と同じ色をしたものが、ふわふわ飛んでいるのは、大方《おおかた》鴎《かもめ》か何かであろう。 さて、僕の向いあっている妙な男だ....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
に、最後の仕上げを受ける運命を持っていた。 彼の無言でいるのを見た伝右衛門は、大方《おおかた》それを彼らしい謙譲な心もちの結果とでも、推測したのであろう。愈《....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
す。が、私には外からでも釘が抜けますから、すぐに格子をあけて、中へはいりました。大方《おおかた》雨の音にまぎれて、格子のあく音が聞えなかったのでございましょう。....
忠義」より 著者:芥川竜之介
に刃傷されるような覚えは、毛頭《もうとう》ない。まして、あの乱心者のした事じゃ。大方《おおかた》、何と云う事もなく、肥後侯を斬ったのであろう。人違などとは、迷惑....
」より 著者:芥川竜之介
《あご》のひげを抜きながら、ぼんやり往来を眺めている。貝殻のように白く光るのは、大方《おおかた》さっきの桜の花がこぼれたのであろう。 「話さないかね。お爺さん。....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
はり御主《おんあるじ》の眼を見る度に、何となくなつかしい気が起ったものでござる。大方《おおかた》死んだ兄と、よう似た眼をしていられたせいでもござろう。」 その....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
僧さんは、レディ・オヴ・ザ・バアジならございますとか何とか、丁寧に挨拶していた。大方この段鼻も涼しいので東京へ出て来たのだろう。 丸善に一時間ばかりいて、久し....
良夜」より 著者:饗庭篁村
かと聞けば隣長屋に明店ありしに突然|暮方二人の男来りてその家の建具類を持ち去る、大方家作主の雇いしものならんと人も疑わざりしを、深沢が見咎めて糺せば詞窮して担い....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
で、この間によく考え、器械の準備をさせて置いたのである。 ファラデーの研究した大方針は天然の種々の力の区別を撤廃して一元に帰させようというのである。 それゆ....