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大旱
「大旱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大旱の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
影もみえなかった。それが京ばかりでなく、近郷近国《きんごうきんごく》いずれもこの
大旱《おおひでり》に虐《しいた》げられて、田畑にあるほどの青い物はみな立ち枯れに....
「運命」より 著者:幸田露伴
世おのずから数というもの有りや。有りといえば有るが如く、無しと為せば無きにも似たり。洪水天に滔るも、禹の功これを治め、
大旱地を焦せども、湯の徳これを済えば、数有るが如くにして、而も数無きが如し。秦の....
「酒友」より 著者:田中貢太郎
だよ」 そこで車は錦葵を四十石あまり買った。人びとは皆それを笑ったが、間もなく
大旱がして、穀物がそっくり枯れてしまい、ただ錦葵だけは植えることができた。そこで....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
なものに違いはなかった。 前年からの借金が抜けない上に、養蚕の不成功に次ぐこの
大旱だった。家産を傾むけた正直一途というものよりほかに、何の才能も持合わせない父....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
とつくづく思います。 どんなことにもわるい面だけはないものね。今の私は、一方で
大旱魃でありながら、思ったよりずっとずっと他の面では潤沢となっているのですもの。....
「鑢屑」より 著者:寺田寅彦
ると、芝の根がついつい欺されて甘やかされて、浅い上層だけに発達して来る。そうして
大旱に逢った時に、深層の水分を取ることが出来なくなって、枯死してしまう。 少し....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
お》りつけている。 すいた床几へようやく割りこんだアコ長ととど助。けさっからの
大旱魃《おおひでり》なもんだから、たちまち咽喉を鳴らし、 「いやどうも、たまらん....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
めなかったが)ある洋館の這入口に『ライスカレー一杯二十五銭』とある札を見て、私は
大旱に雲霓を得た心持でそこにはいった。そこは震災に荒されたあとは見えたが、かなり....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
ことは今も昔も全く変る所がない。仁和四年に菅原道真が讃岐の国守として赴任した折に
大旱にあい、雨乞せしに大雨あり、国民狂喜したが、その際に滝の宮八幡の社前にあった....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
事実は、実際上たびたびあったのであります。 室町時代寛正二年には、前年に諸国が
大旱で、米が取れなかったがために、各地に多数の餓死者が出ましたが、その生き残った....