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大水
「大水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
いお邸《やしき》の医者様の跡でな、ここいらはこれでも一ツの村でがした、十三年前の
大水の時、から一面に野良《のら》になりましたよ、人死《ひとじに》もいけえこと。ご....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
限にあった。 人間に対する用意は、まず畳を上げて、襖障子諸財一切の始末を、先年
大水の標準によって、処理し終った。並の席より尺余床を高くして置いた一室と離屋の茶....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ッショの刑罰もあるいは存外当人には残酷ではないかと考えたりした。 三〇
大水 僕は
大水にもたびたび出合った。が、幸いどの
大水も床の上へ来たことは一度も....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
遂に敗れた。イギリスはその貧弱な陸上兵力にかかわらず、ドーバー海峡という恐るべき
大水濠の掩護によって、ナポレオンの決戦戦争を阻止したのである。今日のナチス・ドイ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
とこう眠ったっぺ。相撲を取って、ころり投げ出されたと思って目さあけると、船の中は
大水だあ。あかを汲み出せ、大変だ、と船も人もくるくる舞うだよ。 苫も何も吹飛ば....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
是故に凡て我が此言を聴きて之を行う者は磐の上に家を建し智人に譬えられん、雨降り、
大水出で、風吹きて其家を撞たれども倒れざりき、そは磐をその基礎と為したれば也、之....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
るということである。中国はその広漠たることヨーロッパに比すべく、これを貫流する二
大水系によって分かたれた固有の特質を備えている。揚子江と黄河はそれぞれ地中海とバ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
水面を川上へ目を遡らせて行くと、中川筋と荒川筋の堺の堤の両端を扼している塔橋型の
大水門の辺に競走のような張りを見せて舟々は帆を上げている。小初の声は勇んだ。 「....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に塗って置くと、老女はそれを見て、おどろいて遠く逃げ去った。 そのあとへ忽ちに
大水が溢れ出て、城は水の底に沈んでしまった。 眉間尺 楚の干将莫邪は楚王....
「金属人間」より 著者:海野十三
。 だがその時代は、学生生活はたいへん苦しいときであったうえに、雨谷君の実家は
大水《おおみず》のために家屋《かおく》を家財《かざい》ごと流され、ほとんど、無一....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
ろ落ちるような工合に、幾百幾千という爆弾がばら撒かれた。 と、忽ち起る爆発音と
大水柱と大きなうねりとの交響楽! 巨艦の姿は、水柱の蔭に全く見えなくなってしまっ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
た。鼻をつく硝煙、真赤な火焔、ひっきりなしの爆音、それに呼応して天空高くとび上る
大水柱! あたりは闇黒と化し、天地も瞬間にひっくりかえったかと思われた。なんとい....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
お砂糖人形の黒い喪のリボンをどけました。どこにもここにも、たいへんなよろこびが、
大水のようにあふれました。三頭の牛のおなかに、小がもやにわとりをつめたまま、丸焼....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
までも相当に尊崇されていたらしい。それが明治の初年、ここらでは何十年振りとかいう
大水が出たときに、小袋明神もまたこの天災をのがれることは出来ないで、神社も神体も....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
さびをふいたトタン屋根だのペンキ塗りの板目だのを見ながら確か明治四十三年にあった
大水のことを思い出した。今日の本所は火事には会っても、洪水には会うことはないであ....