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大江戸
「大江戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大江戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
受け合って八丁堀を出たが、どこから手をつけていいかちょっと見当が決まらなかった。
大江戸の歳の暮に万歳や才蔵を探してあるくのは、その相手のあまり多いのに堪えなかっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
往来の人々を睥睨しながら坐り込んでいた。 しかもそれらの大小達磨は、いつまでも
大江戸のまん中にのさばり返って存在することを許されなかった。七草も過ぎ、蔵開きの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
でも、昔の草原の茫漠たる光景をよく知っている者は少ないかも知れない。武蔵野の原に
大江戸の町が開かれたことを思えば、このくらいの変遷は何でも無いことかも知れないが....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
一度だけ鼓の持ち主に邂逅った。明治元年三月十三日のしかも日中のことである。この頃
大江戸は釜で煮られる熱湯のように湧き立っていた。十五代続いた徳川家にようやく没落....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
の前を通った筈じゃ。そしてその時はその柏屋がちゃんと店を開いていたのじゃ。いかに
大江戸は素早いと云ってもものの一日と経たないうちに格子造りの染め物店が黒門|厳め....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
心を二人連れて、市中をこっそり見廻っていた。 丑満時であったから、将軍お膝元の
大江戸もひっそりとして物寂しく、二十日余りの晩い月が雪催いの空に懸かっているばか....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
その夜はどんよりと曇っていた。月もなければ星もなかった。家々では悉く戸を閉ざし、
大江戸一円静まり返り燈火一つ見えなかった。 と、闇から生まれたように、浅草花川....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
、そうでしたねえ、日のある中は何にも出来ねえ」 だがその日もとうとう暮れ、夜が
大江戸を領した時、いう所の、「ぶちこわし」――掠奪、放火、米騒動の、恐ろしい事件....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ります」「ふうん、なるほど、それからどうした?」「で、また幕がひらきます。すると
大江戸の夜景色で」「まだるっこいな。それからどうした?」「さあそれからは話し悪い....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
然と空を見た。いつまでもいつまでも眺めている。が、その空もすっかりと暮れて、夜が
大江戸を包んだ時に、上野に向かう下谷の道を、一つの人影が歩いていた。浪人ふうの若....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
して丸焼きにしたること、今の鯰このしろなどの魚田楽の如くにしたるよし聞き及べり。
大江戸にては早くより天下無双の美味となりしは、水土よろしきゆえに最上のうなぎ出来....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
面窶れも今は治って、血の気も良く水々しかった。 雪深き越路を出て、久々にて花の
大江戸にと入るのであった。父君二代将軍に謁見すれば、家の事に就ても新たなる恩命、....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
誠を以て説き入った。 「広い浮世?」と娘はつぶやくのであった。 「おう、そこには
大江戸もある。八百八町の繁昌は、人の口ではとても語り切れぬ。何とそこへは行かれぬ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ぞっと色気が身にしみて、帰りの茶代は倍になろうという。女ならでは夜のあけぬ、その
大江戸の隅々まで、子供が唄う毬唄といえば、近頃「おせんの茶屋」にきまっていた。 ....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
ちでも、昔の草原の茫漠たる光景をよく知っている者は少いかも知れない。武蔵野の原に
大江戸の町が開かれたことを思えば、このくらいの変遷は何でもないことかも知れないが....