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「大海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大海の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
》を受けているのは、何もおれ一人に限った事ではない。おれ一人|衆苦《しゅうく》の大海に、没在《ぼつざい》していると考えるのは、仏弟子《ぶつでし》にも似合わぬ増長....
或る女」より 著者:有島武郎
うらつ》な、移り気《ぎ》な、想像も及ばぬパッションにのたうち回ってうめき悩むあの大海原《おおうなばら》――葉子は失われた楽園を慕い望むイヴのように、静かに小さく....
或る女」より 著者:有島武郎
た。 しかしそれとともに倉地はますますすさんで行った。目の光にさえもとのように大海にのみ見る寛濶《かんかつ》な無頓着《むとんじゃく》なそして恐ろしく力強い表情....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、君の周囲から蒸れ立つ生臭い魚の香は強く部屋じゅうにこもったけれども、それは荒い大海を生々しく連想させるだけで、なんの不愉快な感じも起こさせなかった。人の感覚と....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
細工を満載した。小船は、始めに来たときと同じように、目に見えぬ橈の力で矢のように大海に乗り出して遠く水平線の彼方に消え失せた。そこでハイムダルは神々の宮居に迎え....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ところが十九世紀の末から既に大英帝国の鼎の軽重は問われつつあった。殊にドイツが大海軍の建設をはじめただけでなく、三B政策によって陸路ベルリンからバグダッド、エ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
僧都 さればその事。一国、一島、津や浦の果から果を一網にもせい、人間|夥間が、大海原から取入れます獲ものというは、貝に溜った雫ほどにいささかなものでござっての....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、手を挙げた。 「石段に及ばぬ、飛んでござれ。」 「はあ、いまさらにお恥かしい。大海|蒼溟に館を造る、跋難佗竜王、娑伽羅竜王、摩那斯竜王。竜神、竜女も、色には迷....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
が、大びらに呑口切って、お前様、お船頭、弁当箱の空はなしか、といびつ形の切溜を、大海でざぶりとゆすいで、その皮づつみに、せせり残しの、醤油かすを指のさきで嘗めな....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
りと重量を溢まして、筵の上に仇光りの陰気な光沢を持った鼠色のその革鞄には、以来、大海鼠に手が生えて胸へ乗かかる夢を見て魘された。 梅雨期のせいか、その時はしと....
黒百合」より 著者:泉鏡花
かりじゃあない、世の中は広いんだ、富山にばかりも神通川も立山もあるじゃあないか。大海の中だの、人の行かない島などには、宝にしろ景色にしろ、どんな結構なものがあろ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
瞬間、さて眼を開けると、もうそこはすでに滝の修行場でも何でもなく、一|望千|里の大海原を前にした、素晴らしく見晴らしのよい大きな巌の頂点に、私とお爺さんと並んで....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ばんめのおねえさまは、それほどむこうみずではありませんでしたから、そこで、ひろい大海のまんなかに居ずくまったままでしたが、でもそこがどこよりもいちばんうつくしか....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
は露の玉か、涙のしずくかわかりません。浜の上はいかにもさびしいものでした。けれど大海のけしきが、いっときもおなじようでなく、しじゅうそれからそれとかわるので、さ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
今度は可恐しく広い海。……能登島の鼻と、長浦の間、今の三ヶ口の瀬戸でしょう。その大海へ出る頃から、(波やや高く、風加わり、忽ち霧しぶき立つと見れば、船頭たち、驚....