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大災
「大災〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大災の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
ぬ訳にゆかないのであろう。どこまでも奮闘せねばならぬ決心が自然的に強固となって、
大災害を哀嘆してる暇がない為であろう。人間も無事だ、牛も無事だ、よしといったよう....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
に、余は船長の倒れると同時に、思わずアッと叫びしが、ああこの声こそ、余のためには
大災難の声なりき。 すでに船員の全部を屠りつくして、もはや船中には人なしと思い....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
これを解して、「衆人居住の地を定むるを得ずして」の義となし、以てこの寺一屋無余の
大災に罹った事の傍証とすべしと考えてみたのであったが、その後さらに考うるに、それ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
第三巻を印刻する運びとなれるは編者の最も喜ぶ所なり。如何と言ふに其間に昨年の大震
大災あり、我が寓亦その禍を免る能はず、為に材料一切を挙げて烏有に帰せしめたる事実....
「狂女と犬」より 著者:小酒井不木
て居りました。 それだけならばまだよかったのですが、ここに突然お蝶さんの身に一
大災難が降りかかって来ました。それはどんなことかと申しますと、ちょうど、お父さん....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
るかったのですが、人命以外の損害のひどかった点では、まるでくらべもつかないほどの
大災害だったのです。 この大きな被害も、つまり大部分が火災から来たわけで、ただ....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
言えば、母や兄に赤恥かかせることになる、それにいま長兄は故郷の或る事件で、つらい
大災厄に遭っているのを、私は知っている。私の家は、この五、六年、私の不孝ばかりで....
「畜犬談」より 著者:太宰治
く、いずれは苦しい算段をしたにちがいないので、とにかくこれは、ひどい災難である。
大災難である。また、うっかり注射でも怠《おこた》ろうものなら、恐水病といって、発....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
た国には海嘯があった。この地震は豊後海峡の海底の破裂に原因があって、四国と九州が
大災害を被っている。 二年の地震は、紀伊、淡路、阿波、讃岐、伊予、土佐、豊前、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。あまりにひどかった! ひりひり痛んでる両手、裂けたりっぱな服――彼にとっての
大災難――、恥辱、苦痛、不正にたいする反抗、一度にふりかかって来た多くの不幸が融....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
がようであると同時に、なお地平線に立ちこめてしだいに過去のうちに沈み込まんとする
大災厄《だいさいやく》の暗雲におおい隠されてるがようであった。その光と影との中に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
公の社会の下に住んでる隠密《おんみつ》な嫌悪《けんお》すべき反社会の一団に対して
大災害をきたすものである。その種の事件はこの陰惨な世界にあらゆる転覆を導き込むも....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
したものである。 その翌々年八月に大風があって、地震ほどではなかったが、江戸中
大災害を蒙った。この時も私の藩邸はさしたる損害も無かった。 それからコロリ(虎....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
われると、どうなるのでございます」 「それが現われたら、大変だ、この竜神村一帯に
大災難が起る」 「それはホントでございますか」 「ホントにも嘘にも、昔からの言い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この非常の際に、代官でも手が廻らない上に、近頃、材木盗人が横行する。それはこの
大災について、材木の払底を告げたところから、土地の者が近村の山々を、無願伐採する....