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「大礼服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大礼服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
っかり出来あがって、硝子もはまった飾窓に、小野田が柳原から見つけて買って来た古い大礼服の金モオルなどが光っていた。 一度姿見を買ったことのある硝子屋では、主人....
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
嵐にさからって、王者、肩そびやかしてすすまなければならぬ、さだめを負うて生れた。大礼服着たる衣紋竹《えもんだけ》、すでに枯木、刺さば、あ、と一声の叫びも無く、そ....
親子」より 著者:有島武郎
見つからなかった。なげしにかかっている額といっては、黒住教の教主の遺訓の石版と、大礼服を着ていかめしく構えた父の写真の引き延ばしとがあるばかりだった。そしてあた....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。金モールの大礼服をつけた額の高い、鼻が俊敏に秀でている禿齢の紳士であった。フランス髭を両顎....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
洋館が坪三千円かかったというのも、嘘ではないらしかったが、そこの壁にかかっている大礼服装の老人は、万事不自由のないように婦人の身のまわりを処理しておいて、今はま....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
処もあった。 それにも一つ、ここへ来ると、あまりに女の人たちが美し過ぎるのと、大礼服を着用しているのと、それらが強い香気を放って、妙に私の心を騒がせるのがきま....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の文化住宅から見ると全く以て平安なる日本的情景であった。 盆が来ると寺の住職が大礼服によって出張する。線香の煙と、すず虫と、近松と、お経と木魚の音が新秋の私を....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
文章の潤色も多く私が担当していた。忘れもせぬ、廿一年紀元節の憲法発布式の日、私は大礼服がないので、――以前拝賀には借着した事もあれど――不参をしていたが、右の大....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
なると物売りもまた変って来て、隊長の鳥売りなぞといって、金モールをつけた怪しげな大礼服を着て、一々|言立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい杵で....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
係にとりたてられたので、ひろ間のとびらのうしろにたつことをゆるされました。みんな大礼服のはれすがたで、いっせいに、陛下がえしゃくなさった灰いろのことりに目をむけ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
をして、文部書記官に昇進する。それは好いが、新官制によって定めたとおり、父も遽に大礼服というものを誂えて一着に及んだ。父には到底似合もせぬしろものである。御用商....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
うです。岡氏も岩佐氏も侍医で、御陪食に参内せられての出来事でした。そんなお席で、大礼服を召した患者とお医者たちと、どんなでしたろうと思います。 十日が岩佐氏の....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のであろう、など私は話したことでありました。 その日憲法発布の式場へ参列のため大礼服をつけて官舎を出るところを玄関前で文部大臣の森有礼氏が刺客に刺されたのであ....
」より 著者:犬田卯
を捲き上げる計画は次から次へと実施されはじめた。村社の修復、屋根がえ、学校長への大礼服の寄贈(しかもこれは貧富に拘らず、校長氏が準訓以来教えた全部の卒業生各自へ....
監獄部屋」より 著者:羽志主水
着した。 脚本「検察官」の幕切は、国王の権威を代表した官憲一行の到着を知らせる大礼服の士官が現われる所だったと記憶する。今は二十世紀、茲《ここ》は日本国だけに....