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「大福帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大福帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はすごいんだからな。べらぼうめ、ほんとうにおどろくな――ええと、なるほど、これが大福帳だね。向こう柳原、遠州屋玉吉様二升お貸し。糸屋平兵衛様五升お貸し――なんて....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
裏の井戸端で誰を待つやらうろうろする女中もない。番頭は帳場で神妙を装い、やたらに大福帳をめくって意味も無く算盤をぱちぱちやって、はじめは出鱈目でも、そのうちに少....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その命名も、たとえば、拍子木座と言い、団扇座《うちわざ》と言い、人形座と言い、大福帳と言い、両国橋と言い――そうして、毎夜毎夜、その独特の頭を以て、星座を眺め....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
百姓大腹帳」 と書いてあります。二つ折|長綴《ながとじ》の部厚の帳面で、俗に「大福帳」型の帳面でありましたが、大福帳をここには「大腹帳」と書いたところに趣意が....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、及び腰になって、路地の入口まで忍んで行った。 土蔵の戸口には、果して謙蔵が、大福帳をぶらさげて石のように突っ立っていた。次郎ははっとして後じさりしようとした....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いえ、藤兵衛一人でございます。至って殺風景な部屋で、なんの部屋飾りもなく、年々の大福帳と、大倉式の古風な金庫が一つあるだけでございます」 「ハバカリは、どうして....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
学パズル』 昭和二十一年正月七日 海野十三 1 虫喰い算とは? 古い大福帳や証文や勘定書などがしみという虫に喰われており、肝腎の数字のところが穴にな....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
な経机、硯《すずり》箱、それに、壁に特別のこしらえをして、貸方、借方、現金出納、大福帳などの帳簿が下がっている。状差しに来書がさしてある。口のかけた土瓶《どびん....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
それらに関する聞き込みなどを、忘却を防ぐために雑然と書きとめておく帳面であった。大福帳みたいに筆太に御用帳と書いた、半紙を横折りにとじた帳面がいつも居間の壁にか....
国立国会図書館」より 著者:中井正一
版物は、その五〇%をその省が利用しているという現象が生じて来るのである。 個人大福帳的、生辞引的なものから、工場機構《ファクトリー・システム》に各省も、図書館....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なくてならないあの熊手は誰でも知っている通りのもの。真ん中に俵が三俵。千両|函、大福帳、蕪、隠れ蓑、隠れ笠、おかめの面などの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
――「八丁堀合点長屋店人釘抜藤吉捕物|覚書《おぼえがき》」という題で遺っている、大福帳のような体裁の、半紙を長く二つ折りにした横綴じの写本である。筆者は不明だが....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
たものを添えてあった。文案は桜痴居士であったらしい。 初代市川団十郎元禄十年正月大福帳を演じたるがしばらくの始めにて同十三年第二回を演じ候ひきそれより代々相伝し....
すみだ川」より 著者:永井荷風
のが、いかに辛くいかに情《なさけ》なかったであろう。陰気な燈火《ともしび》の下で大福帳《だいふくちょう》へ出入《でいり》の金高《きんだか》を書き入れるよりも、川....
春心」より 著者:田中貢太郎
入用がありゃ云ってやる」 「五六日前」 「そうだ」 「それはどこでしょうか」 「大福帳へでも書きつけるつもりかね」 広栄は返事をしなかった。 「書きつけたけり....