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大紋
「大紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
連ご一統のご参拝があるからです。この数がざっと三百八十名ばかり。いずれもこの日は
大紋|風折烏帽子《かざおりえぼし》の式服に威儀を正して、お乗り物は一様に長柄のお....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
りましょう。」 辰馬は、頬被りの奥から、 「ほかに、心得は?」 「当日は、必ず
大紋烏帽子《だいもんえぼし》のこと――。」 「その他――気が急《せ》く。」 垣....
「猫車」より 著者:宮本百合子
た。 「この布団入れときますか」 「やっぱりその方が楽にあろ」 油単をなおした
大紋付の掛布団を丸めて、坐椅子と庄平の背中との間に挾んだ。そうして置いて立とうと....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
、腹を立てる私ではない。証拠を見せよう。それこれじゃ、(萌黄古びて茶となりたるに
大紋の着いたる大風呂敷を拡げて、膳を包む)――お銚子は提げて持って行くわさ。 村....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
南無妙。これは似たような絵じゃが、余吾将軍維茂ではない。見さっしゃい。烏帽子素袍
大紋じゃ。手には小手、脚にはすねあてをしているわ……大森彦七じゃ。南無妙、」 ....
「菊人形」より 著者:宮本百合子
の店が出来た。葭簀ばりの入口に、台があって、角力の出方のように派手なたっつけ袴、
大紋つきの男が、サーいらっしゃい! いらっしゃい! 当方は名代の(何々とその店の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
形で一方の敷皮の上に胡坐《あぐら》している。 それと相対して、烏帽子《えぼし》
大紋の容貌優秀なる大名が一人、同じように敷皮の上に座を構えている。これが当城の城....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
たであろう元の玉座から観るのだそうだ。舞台のうえに鎌と鉄槌と麦と星のソヴィエトの
大紋章が掲げてある。革命成就と同時に共産党員が押しこんで、旧露西亜の鷲と王冠のし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
嘆の眼を見張らずにはいられませんでした。服装までも昔ながらの好みで、鼠色の衣裳に
大紋打った黒の羽織、これに袴をつけて、腰にはお定まりの大小二|本、大へんにきちん....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れ着ならぬ者はない。当夜持参の嫁入り調度も、まばゆいほどな列だった。――三ツ鱗の
大紋打った素襖、烏帽子の奉行の駒を先にして、貝桶、塗長持、御厨子、黒棚、唐櫃、屏....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
執権邸のおくで三ヵ日には鼓の音がもれていたくらいなもの。 柳営の門にも、例年の
大紋烏帽子の参賀や式事すがたは見られず、代りに、おちおち正月気分も味わえずに征途....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
といわれたりしている所でもあった。 もう二た刻にちかくなる。 高氏は、公式の
大紋烏帽子すがたを、ぽつねんと、ひとりそこにおかれたままでいた。 だが、彼は退....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
出している。よく視ると荒っぽい手法で刻み上げた烏帽子|直垂姿のいかめしい武夫が、
大紋の袖を束ねて稽首しているさまがある。一段高く黒岳の尖った兜の鉢が雲の幔幕の前....