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「大股〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大股の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
いきょう》のある田中中尉などはずっと前の列に加わっている。保吉は※々《そうそう》大股《おおまた》に中尉の側へ歩み寄った。中尉はきょうも葬式よりは婚礼の供にでも立....
」より 著者:芥川竜之介
責任であるようにも感じた。僕はまた看守に案内され、寒さの身にしみる刑務所の廊下を大股に玄関へ歩いて行った。 ある山《やま》の手《て》の従兄の家には僕の血を分け....
」より 著者:芥川竜之介
庇《ひさし》へ手をやると、吉井が鳥打帽を脱ぐのには眼もかけず、砂利を敷いた構外へ大股《おおまた》に歩み出した。その容子《ようす》が余り無遠慮《ぶえんりょ》すぎた....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
た黄色《きいろ》に見えるものだった。僕等は腕を組んだまま、二十五の昔と同じように大股《おおまた》にアスファルトを踏んで行った。二十五の昔と同じように――しかし僕....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
それにしちゃ谷村さんは遅すぎるな。――」 洋一はちょいとためらった後《のち》、大股《おおまた》に店さきへ出かけて行くと、もう薄日《うすび》もささなくなった、も....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
なり、梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄《ひじりづか》の太刀に手をかけながら、大股に老婆の前へ歩みよった。老婆が驚いたのは云うまでもない。 老婆は、一目下人....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ると、まだその点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の動揺に抵抗しながら、大股《おおまた》に本間さんの前へ歩みよった。そうしてそのテエブルの向うへ、無造作....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
云う玉だ。」 彼は腹立たしそうにこう云うと、くるりと若者に背《せな》を向けて、大股に噴《ふ》き井《い》から歩み去った。若者はしかし勾玉を掌《てのひら》の上に載....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
友人を促《うなが》して、可笑《おか》しくもない事を可笑しそうに笑いながら、わざと大股に歩き出しました。その友人が、後に私が発狂したと云う噂を立てたのも、当時の私....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
る。 27 星ばかり点々とかがやいた空。突然大きい分度器が一つ上から大股《おおまた》に下って来る。それは次第に下るのに従い、やはり次第に股を縮め、と....
或る女」より 著者:有島武郎
一人の大兵《たいひょう》な船員がいたが、葉子の当惑しきった様子を見ると、いきなり大股《おおまた》に近づいて来て、 「どれ、わたしが下までお連れしましょう」 と....
怪星ガン」より 著者:海野十三
。ミネ君。テッド隊長が迎えにきてくだすった」 そのとおりであった。長身の博士が大股で三根夫のほうへ歩いてきて、大きな手で握手をした。 「おめでとう。たいへんご....
縁結び」より 著者:泉鏡花
く翳し、高下駄に、濡地をしゃきしゃきと蹈んで、からずね二本、痩せたのを裾端折で、大股に歩行いて来て額堂へ、頂の方の入口から、のさりと入ったものがある。 「やあ、....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
首のうえにとまって、風の吹く方向を告げているようだった。風の強い日に彼が丘の背を大股で歩き、洋服をばくばくと風になびかせてゆくのを見ると、貧乏神が地上におりてき....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
のを見逃してはならないような心持がしているのである。 罪人は諦めたような風で、大股に歩いて這入って来て眉を蹙めてあたりを見廻した。戸口で一秒時間程|躊躇した。....