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大胡坐
「大胡坐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大胡坐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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「文章」より 著者:芥川竜之介
のようにちゃんと膝《ひざ》を揃えたのではない。容易に痺《しび》れの切れないように
大胡坐《おおあぐら》をかいてしまったのである。
読経《どきょう》は直《すぐ》に....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
く、足がのびる、たちまち形が変ずるばかりじゃ。
いややがて、この鯉を料理して、
大胡坐《おおあぐら》で飲む時の魔神の姿が見せたいな。
妄念《もうねん》は起さず....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ら、どしどし乱入。とある六畳へのめずり込むと、蒲団も待たず、半股引の薄汚れたので
大胡坐。 「御酒をあがりますか。」 「何升お燗をしますか、と聞きねえ。仕入れてあ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
と茶碗に堆く装ったのである。 その時、間の四隅を籠めて、真中処に、のッしりと
大胡坐でいたが、足を向うざまに突き出すと、膳はひしゃげたように音もなく覆った。 ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
れて坐っていました。 何百年か解らない古襖の正面、板の間のような床を背負って、
大胡坐で控えたのは、何と、鳴子の渡を仁王立で越した抜群なその親仁で。 恍惚した....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
の蒲団の上に、萩、菖蒲、桜、牡丹の合戦を、どろんとした目で見据えていた、大島揃、
大胡坐の熊沢が、ぎょろりと平四郎を見向いて言うと、笑いの虫は蕃椒を食ったように、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の、活動写真の難船見たよう、波風の音もせずに漂うていましたげな。両膚脱の胸毛や、
大胡坐の脛の毛へ、夕風が颯とかかって、悚然として、皆が少し正気づくと、一ツ星も見....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たは杉の割箸。 こいつを杖という体で、客は、箸を割って、肱を張り、擬勢を示して
大胡坐に※となる。 「ええ。」 と早口の尻上りで、若いものは敷居際に、梯子段見....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なさい、無銭で可うごす。木戸銭は要りませんから、菓子でも買っておあがんなさい。」
大胡坐掻きたるが笑いながら言示せり。さらぬだに、われを流眄にかけたるが気に懸りて....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いであろう、尻ッこけになった巌の裾に居て、可怪い喬木の梢なる樹々の葉を褥として、
大胡坐を組んだ、――何等のものぞ。 面赭く、耳|蒼く、馬ばかりなる大きさのもの....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
高縁の突端に薄汚れたが白綸子の大蒲団を敷込んで、柱を背中に、酒やけの胸はだけで、
大胡坐を掻いたのは藪の中の大入道。……納所どころか、当山の大和尚。火鉢を引寄せ、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
太夫の切前を語ろうという漢であった。 過日その温習の時、諸事周旋顔に伝六木戸へ
大胡坐を掻込んでいて、通りかかった紋床を、おう、と呼留め、つい忙しくって身が抜け....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ッて、両手に片々ずつ持って帰った。妙なことをすると思うと、内へ帰って、どたり
大胡坐を掻込んでね、燈は店だけの、薄暗い汚い六畳で、その茶碗のふちを叩きながら、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ち切れそうな緊った身体さ。 あなた――どうでしょう、天狗様の方が股が裂けそうな
大胡坐で、ずしんと、その松の幹へよりかかると、大袈裟な胡坐ッたら。あれなんですよ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得たりと畳みかけて、「さあ、出して渡してくれ、否と言うが最後だ。とどっかと坐して
大胡坐。得右衛門思い切って「居さえすれば渡して進ぜる、居らぬが実じゃで断念さっし....