大虎[語句情報] »
大虎
「大虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
に何度も「水滸伝」を読み返した。のみならず本を開かぬ時にも替天行道の旗や景陽岡の
大虎や菜園子張青の梁《はり》に吊《つ》った人間の腿《もも》を想像した。想像?――....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
えら》い坊主だ。王境内虎災大きを救えと乞うと入定する事|須臾《しゅゆ》にして十七
大虎来る、すなわち戒を授け百姓を犯すなからしめた、また弟子に命じ布の故衣《ふるぎ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
より採った砂粒一つもて大地を造り部下の諸獣を人間に化《な》した。しかるに水王たる
大虎神これを拒んだので二神争闘今に至るも息《や》まぬと(コラン・ド・ブランチ、二....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
がままにすると、彼はかたわらの藪へはいって行ったが、やがて一匹の黄いろい斑のある
大虎が藪のなかから跳り出て、すさまじい唸り声をあげてたけり狂うので、樹の上にいる....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ちまって、二人は、肝胆相照らす心の友となったのです。それからの交際だ。
山田の
大虎事件では、泰軒は説諭放免となり、その後数年にして大岡さまは、八代吉宗公に見い....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
、それで、お前、手筈一つ狂わねえや。狂うのは虎の方ばっかり、然し、お前、どんなに
大虎になったところで、翌日の仕事が、それで、これっぱかしも間に合わなかったという....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
彼は荷造りの座員をねぎらうため、酒を買わせて楽屋で酒宴をひらき、明るいうちに
大虎になって、みんなと寝こんでしまった。目がさめた時は夜の十時ごろで、彼だけそッ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
一ツらしい。記者連がゴロゴロ酔いただれているところへ、檀君は食堂車でのみつづけて
大虎となって現れ、一団に合流していずれへか車で去ったという。 翌日の夜、檀君に....
「九段」より 著者:坂口安吾
当に酔っ払うと、風の如くに行方不明になるのは二十年来のことである。近頃はメッタに
大虎にもならないが、昔はよくやった。むかし浅草でノンダクレていたころは、酔っ払っ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
時を打ち、とうとう三時半になったが、鶴子はビクともしない。呪い殺されるどころか、
大虎になって、大変な話を手真似でやり出す始末なんだ。……その晩は鶴子のところへ泊....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
な というのがある。 永代橋の「都川」で例会があった時、倉田白羊が酔っぱらって
大虎になり、橋の鉄骨の一番高いところへ攀じ登ったが川風で酔いが醒めて、さてこんど....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
らしい名を与えたのは頗る面白い対照である、流石に江戸児らしい所がある。しかし例の
大虎列剌が流行した時には、江戸児もこれには辟易したと見えて、小春とも梅川とも名付....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
「やったな。」と揃って飛び下りる。 と、また私たちは、高原の、一路坦々たる、
大虎杖の林の中に在る私たちを見出した。 虎杖のやや赤ちゃけた虫くい葉の日盛りで....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
薩張り分らない、南日君が三五郎だと説明して呉れる。草間を押し分けて河原に下ると、
大虎杖の叢が一斉に闊い葉を拡げて、強烈な日光を浴びながら懶そうに首垂れている。葉....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
味に横巻にして、河に臨んだ絶壁の縁に辿り着く。抜足で縁を通りながら叢を通り抜け、
大虎杖を薙ぎ倒して、横に長く河岸に蟠っている大磐石の背に躍り上った。折尾谷に着い....