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大鋸
「大鋸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大鋸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
餌室というものの実感が違った。壁には、象を料理するのじゃないかと思うほどの大鉞や
大鋸、さては小さい青竜刀ほどもある肉切庖丁などが、燦爛たる光輝を放って掛っていた....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
の思いが、彼をして行方《ゆくえ》定めぬ旅に立たせる。背の荷にしょい込んだ幾枚かの
大鋸《おおのこ》小鋸と何十丁かの鑢《やすり》が、彼の生命であり財産でもあった。拓....
「氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
須田の家まで房を送って来た。 四五日経って、房が氷屋の二階へ行った。 濡れた
大鋸屑《おがくず》が、車庫のような混擬土《コンクリート》の店先に散ばっていた。横....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
る空の高みでぼやけはじめた。しかし、食料品販売所《コンムナール》では、床にまいた
大鋸屑《おがくず》を靴にくっつけて歩道までよごす節季買物の男女の出入が絶えない。....
「広場」より 著者:宮本百合子
は、今に雪が降るようになると辷ってころばないために、入口の段々のところからずっと
大鋸屑《おがくず》をまかれる。雪でしめらされ、群集の湿気でむされる
大鋸屑からは鼻....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
うかとすれば、スウと、或は高く或は低く、単調ながら拍子を取って、宛然《さながら》
大鋸《おおのこぎり》で大丸太を挽割《ひきわ》るような音だ。何だろうと思って耳を澄....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
も番所も焼き払い、西河岸から呉服町、南大工町、檜物町、上槇町、それから横に切れて
大鋸町、本材木町へ移り、金六町、水谷町、紀国橋の辺から木挽町を焼き、芝の網場まで....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
…四十番が霊岸島《れいがんじま》の八乙女《やおとめ》人形‥… 「熊坂」がくる、「
大鋸《おおのこぎり》」がくる、「静御前《しずかごぜん》」がくる。 牛にひかせた....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いるので、先生株の牙彫の人たちと懇意な間柄である(現時金田氏の二代目は日本橋区|
大鋸町に店がある)。今、一人、外山長蔵という同業の人たちも寄り合い、相談をした席....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を背にして突っ立った。
小屋の横に、巨きな材木が枕木に横たわっているし、辺りに
大鋸屑が積もっているなどから見ても、これは木挽職人の寝小屋らしかった。
物音に....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
畳まれて、僧ヶ岳や駒ヶ岳の重なり合って大きく蟠まっている後ろから、劒ヶ岳の一部が
大鋸の歯で空を引割っている。明日は中村君が此処から鐘釣温泉へ向う筈である。南日君....