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「大陸的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大陸的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
てロシアの田園を偲《しの》ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な未開の天地は、いかに雄心勃々《ゆうしんぼつぼつ》たる天下の自由児を動かし....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
像法の初め、教学時代の初めなのです。インドで雑然と説かれた万巻のお経を、支那人の大陸的な根気によって何回も何回も読みこなして、それに一つの体系を与えました。その....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
一番感心した顔は死んだ岸田劉生氏であるが、そのあまりにも神経質な言行は、せつかく大陸的に出来上つた容貌の価値を損ずるようでいかにも惜しく思われた。近ごろは西洋か....
地球盗難」より 著者:海野十三
と共に陸から海へ向って風が吹くのが普通であるのに、決してそういう現象が見えない。大陸的気象かというのに、それとも違う。それはあまり知られていない一種奇妙な変化を....
食魔」より 著者:岡本かの子
て、去り気ない様子を示したが、始めて人に肺腑を衝かれた気持がした。良人の画家に「大陸的」と極めをつけられてよいのか悪いのか判らないが、気に入った批評として笑窪に....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
であることが了解できるであろうと思われる。 このような理由から、日本の気候には大陸的な要素と海洋的な要素が複雑に交錯しており、また時間的にも、週期的季節的循環....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
的に承認するのとは全く別である。云わば道徳的直観主義の代りに知的直観主義が、この大陸的合理主義の特色をなす。常識のように倫理的乃至審美的ではなくて、知的であれば....
人を殺す犬」より 著者:小林多喜二
どころだけまぶゆくギラギラと光っていた。――「真夏」の「真昼」だった。遠慮のない大陸的なヤケに熱い太陽で、その辺から今にもポッポッと火が出そうに思われた。それで....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
下で洪水に見舞われたことがあるが、利根川の洪水とは、趣きが違う。利根川の洪水は、大陸的に漫々的で、巨人的であり、死神の国の茫々たる妖相にみちて静寂であるが、早川....
戦争と気象学」より 著者:寺田寅彦
月延期したかもしれない。 日露戦役の際でも我軍は露兵と戦うばかりでなく、満洲の大陸的な気候と戦わなければならなかった。日本海の海戦では霧のために蒙った損害も少....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
くホテルを出てイルチッシ河の河岸へ出た。流程二千三百|哩、広々と流れる大河の態は大陸的とでも云うのであろう。一行は汽船へ乗り込んだ。セミパラチンスクまで行くので....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の帰化人にとりまかれて特殊な族長ぶりを示していたらしい蘇我氏の生態も、なんとなく大陸的で、大国主的であるですよ。私は書紀の役目の一ツが蘇我天皇の否定であると見る....
飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
胸の奥に潜んでいる考えの一つを伺い得たと思ったのであった。 このあたりの自然は大陸的で、朗らかであった。尺余の雪が一面に光り、タバコ色の落葉松の梢が美しく連な....
不在地主」より 著者:小林多喜二
るんだ。」 健はだまったまま、暗い外へ出て行った。 五 土方大陸的な太陽が、ムキ出しな地面をジリ、ジリ焼いていた。陽炎が白熱した炎のように、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、向うの向うの庁舎の方へと、いっさんに駈け出す私たちであった。 *大陸的な樺太の八月の驟雨である。いかにそれが異郷風の壮観であったかは想像してくれ....