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「大音声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大音声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
と思ったが、そのとき遅く、かのとき早く、 「――蠅男、そこ動くなッ」 と、突然大音声があがったと思う途端、寝台の陰からとび出して来た一個の人物! それは誰であ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
すると、五右衛門は、さては聴かれてしまったかと、暫らく唸っていたが、やがて、大音声を張り上げて、相も変らぬ怪しげな七五調を飛ばしはじめた。 「石が物言う世の....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
の場所こそは命の棄て処である」と。進んで三の柵際まで来て、自ら柵を引抜き出した。大音声で名乗りを挙げるが、織田勢その威に恐れて誰も出合わない。雨の様な弾丸は、右....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
した。盛政も、奮戦したが、総軍今は乱軍のまま思い思いに退却である。盛政例によって大音声を挙げ、味方の諸士臆病神が付いたのか、と罵ると、原彦次郎曰く「仰せの如く味....
真田幸村」より 著者:菊池寛
。 幸村は、漸く、敵の砲声もたえ、烟も薄らいで来た時、頃合はよし、いざかかれと大音声に下知した。声の下より、皆起って突かかり、瞬く間に、政宗の先手を七八町ほど....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
夫ですか」 「えゝ、大丈夫ですよ」 「おい、支倉」 主任は支倉の方を振り向くと大音声に叱りつけた。 「詰らぬ真似をするな。そんな馬鹿な事をして訊問を遅らそうと....
海底都市」より 著者:海野十三
たらもう一度生きてみろ」 僕は今だと思った。僕はむくむくと起きあがった。そして大音声《だいおんじょう》をはりあげた。 「あわててはいけない。僕は死んでいないの....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
然と立っていたが、気が付くとまず集五郎は後追っかけて走り出た。 「やあ方々!」と大音声、「七人の曲者一団となり、表門の方へ走ってござる! 追っかけめされ追っかけ....
怪塔王」より 著者:海野十三
てないだろう。この辺で、おとなしくお前たちも降参したがいいぞ」 小浜兵曹長は、大音声をはりあげて、叫びました。兵曹長は、この大きな声が、帆村探偵に通じるであろ....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
、貝谷は思案をしていたが、 「じゃあ、私がどなってみましょう」そういって貝谷は、大音声をあげ、 「こら、いのちが惜しければ、出てこいというんだ。出てこなければ、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
逃げられると、高を括って度胸が坐ったのでありますから、威勢よく突立って凜々とした大音声。 「お頼み申す、お頼み申す! お頼み申す※」 と続けざまに声を懸けたが....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
「待て! 弦四郎!」 一散に走り、追い詰めると颯と前へ出て、行く手を扼したが大音声だ。 「娘を放せ! 切って来い! 汝の味方を五人斃した、茅野雄は汝が敵であ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
「残念! ……とはいえ止むを得ぬ儀、東馬参れ――ッ!」と刀を振り上げ、遮る群集に大音声! 「道を開け! 開かねば切るぞ!」 刀の光に驚いて、道を開いた群集の間....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
大きな声で叫びはじめた。元々地声の大きい升田のことで、ついに部屋一パイに響き渡る大音声となってしまった。 木村もはじめのうちは苦笑しながら 「まだお前なんかに....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
できた。しかし、市民動揺の徴はすこしも見えなかった。彼はそのほうへ行進しながら、大音声で、余を暗殺せんと企む者がある、わが国の王冠はスペイン王インファンタに売り....