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大額
「大額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大額の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
つ置いてある。右手の新聞|原紙で貼り詰めた壁の上に「南船北馬……朴泳孝」と書いた
大額が煤け返っている。それに向い合に明治十二年発行の「曙新聞」の四|頁が、硝子枠....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
の代り、隣りにある第一応接室の扉をグッと明けてみた。そこには目も眩む金色燦然たる
大額が、壁間にズラリと並んでいた。それは歴代の市長の肖像らしかった。誰も彼も市会....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
太く捻っているが、規矩男の面立ちにそっくりだった。 かの女はつと立ち上り、その
大額面の下に立ってやや小腰をかがめ、 「これ、規矩男さんの、おとうさまでいらっし....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
しょう……。 広い板の間の道場。 正面には、故司馬先生の筆になる十方不知火の
大額をかかげ、その下の、一段小高い畳の壇上、老先生、老先生ありし日には、あの白髪....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
白|縮緬の天幕、杵勝名取男女中より縹色絹の後幕、勝久門下名取女|中より中形縮緬の
大額、親密連女名取より茶緞子丸帯の掛地、木場贔屓中より白縮緬の水引が贈られた。役....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、梯子を一段だけ踏み残して上りつめていた山崎譲は、背伸びをして、その甲源一刀流の
大額の、門弟席の初筆から三番目の張紙の上へ、グジャグジャに濡れていた手拭を叩きつ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た重なり合って立ちどまったのは、以前の柱よりは少し右の方、菊池容斎の描いた武人の
大額の下。 「卒爾《そつじ》ながら、これは何をかいたものですか」 と兵馬は突然に....
「生活の様式」より 著者:宮本百合子
子さん」 自分の肖像 対照 大掃除 サイドボードを動かす 上の下らぬ
大額をおろす。買い手が見つけられるから。 「あれを買うって?」 「本当?」 「本....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この白熱の興味が、ついに白雲をして五日の間に「妖童般若《ようどうはんにゃ》」の
大額を完成させてしまいました。その作たる、われながら見とれるほどの出来と見ました....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
夷」と継嗣問題を交換することのできた協調政治家だった。だがこの交換は幕府にとって
大額の赤字になった。京都に奏上して「政道奏聞に不及《およばざ》」る祖法を覆えした....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
朽ちかけた額堂の欄間には、琵琶を抱いた蝉丸の像や、関寺小町の彩画や、八|景鳥瞰の
大額などが、胡粉に雨露の気をただよわせ、埃と蜘蛛の巣の裡にかけられてあった。 ....