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大麦
「大麦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大麦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
とうもろこし》、馬鈴薯、南瓜《かぼちゃ》を作り、小豆《あずき》、白黒二種の大豆、
大麦、小麦と土地の成長に伴《つ》れて作物の種類を増して行った。併し、そうなるまで....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
て、とぼとぼと馬小屋の方へ帰って行きました。好な飼料《かいば》をあてがわれても、
大麦の香を嗅《か》いで見たばかりで、口をつけようとはしませんでした。 むしゃく....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
やった。やっぱし買えるだけ買うといてよかった。今度は、だいぶ儲かるぞ。」 青い
大麦や、小麦や、裸麦が、村一面にすく/\とのびていた。帰来した燕は、その麦の上を....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
てから、 また行ってくるよ。 と家内に一言して、餌桶と網魚籠とを持って、鍔広の
大麦藁帽を引冠り、腰に手拭、懐に手帳、素足に薄くなった薩摩下駄、まだ低くならぬ日....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
麦作の話をしてくれた。麦一ツカ――九十坪に、粉糠一斗の肥料を要するとか。それには
大麦の殻と、刈草とを腐らして、粉糠を混ぜて、麦畠に撒くという。麦は矢張小作の年貢....
「湖水の女」より 著者:鈴木三重吉
ギンはしばらく立って見つめていました。そのうちに、何だか、じぶんのもっている、
大麦でこしらえたパンとバタを、その女の人にやりたくなって、そっと、岸へ下りていき....
「黄金鳥」より 著者:鈴木三重吉
こみました。二百人の水夫も乗りこみました。馬は、 「もうこれでいいから、しまいに
大麦を一俵|私に下さい。そしてこの手綱をゆるめておいて、すぐに船へお乗りなさい。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の物は可なり出来る。昨年は陸穂の餅米が一俵程出来たので、自家で餅を舂いた。今年は
大麦三俵|籾で六円なにがしに売った。田園生活をはじめてこゝに六年、自家の作物が金....
「和太郎さんと牛」より 著者:新美南吉
は、そんな春の夕ぐれでありました。出そろって、山羊《やぎ》小屋の窓をかくしている
大麦の穂の上に、やわらかに夕日の光が流れておりました。 和太郎さんは、よぼよぼ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
開いて、それに、ハト麦と、ジャガタラ薯とをお植えなさいまし。ハト麦は、世間並みの
大麦や小麦と違って、肥料《こやし》がいりません。そうして、蒔《ま》いて僅かの間に....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
弥之助の農園に於ける収穫を概算して見ると次の様な事になる。 小麦 約十二俵
大麦 十俵 陸稲┌糯《もち》 六斗五升 └粳《うるち》 五石 馬鈴薯 ....
「アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
らんで、それを二十四も、戸のところまで引きずり出して来ました。そして、 「開け、
大麦。」と、さけびました。 まあ、どうしたのでしょう、戸は閉まったままでした。....
「米」より 著者:犬田卯
由次には負けず、田の草も掻き、畑の草取りもした。 お蔭で、植付が終ると同時に、
大麦の調製から小麦の始末まで、器械を頼んで来て、一気にやってしまった。ただ、おせ....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
から最初は、米のほかにライ麦の麺麭を拵えるための裸麦とか、メリケン粉用の小麦……
大麦……野菜もキャベツ、セロリーなぞを作ったでがすが、それが戦争でホテルが駄目に....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
っ黄だな。花の色よりまだ濃いな。 おい、おい、庄亮、歌ができたぞ、四五句だけ、
大麦黄なり夏蕎麦のまへ 白花じゃがいも、赤いもだ。 紫の花、白いもだ。 雨....