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天の声
「天の声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天の声の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かった。息の音さえもほとんど聞こえなかった。墳墓のような仕切りを通して話しかける
天の声かとも思われるのだった。
もし先方の望みどおりの身分の人である時には、そ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
之助の方寸だろうが、中橋がヒサの母に夢之助の妾宅へ参るとハッキリ言明しているのは
天の声、実に不正はおのずから破れるものだ。いかに万全を施しても、一人の智恵は所詮....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
の言は長く心中に念じたる結果、やむなく口外に出《い》でたるものと思えば、これ実に
天の声である。 貝原益軒《かいばらえきけん》がものせる『大和俗訓《やまとぞっく....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
出生の秘密を消そうとして、傷害殺人の前科を背負いこむことになったらしい。どこかに
天の声があって、これが教訓だといっているような気がした。 あさひの房は厠に近い....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
これから、えらいやつに独力でたちむかうことになるといった、いつかの中村の言葉が、
天の声のように耳のそばで鳴りひびいた。 つづいて、いままで思いだしたこともなか....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
前世の夢なのじゃ。儂に代ってあの美しい夢を夢みて下され。……あれは儂等には分らぬ
天の声まで耳ざとく聴き分ける娘じゃ。あれが雨が降る、と云えば立ちどころに雨が降っ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
修し卒へたまへる、
物を愛します主よ。聖にいませ。
ファウスト
お前達、
天の声等はなぜ力強く、しかも優しく
己をこの塵の中に覓めるのだ。
情の脆い人等の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
て、今のような言葉が出てしもうたのだから仕方がない」
すると、他の法師も、
「
天の声だ」
「人をもっていわしめたのだ」
加勢するように、喚きかかった。
蔑....
「三国志」より 著者:吉川英治
救ワレヨ 檄文到ランノ日 ソレ速ヤカニ奉行サルベシ 「これこそ、我々が待っていた
天の声である。地上の輿論である。太守、何を迷うことがありましょう。よろしく曹操と....
「三国志」より 著者:吉川英治
めていても、わしに天文は分らんが、さっきの客のはなしは、どういうものだろう」 「
天の声かも知れません。漢室は元来、火性の家です。あなたは土命です。許昌の方位は、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
辻の子供らまでに、この夏、唄い囃されていた。 童謡にも民の声があり、諷言もまま
天の声をなす、とか。――これが火もない煙でなかったのは、思いあわされぬことでもな....