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天上
「天上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
のうちにいるわたしたちの祖先を発見することである。同時にまたわたしたちを支配する
天上の神々を発見することである。
三 鴉《からす》と孔雀《くじゃく》....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
》のこわれをぬけて、続々として、つどって来る。――
次郎は、絶望の目をあげて、
天上の小さな月を一瞥《いちべつ》しながら、太刀を両手にかまえたまま、兄の事や沙金....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ありませんか? わたしはその名前を口にするだけでも、この暗い牢《ろう》の中さえ、
天上の薔薇《ばら》や百合《ゆり》の花に、満ち渡るような心もちがします。
忘れも....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》して、
「たとい今生《こんじょう》では、いかなる栄華《えいが》を極めようとも、
天上皇帝の御教《みおしえ》に悖《もと》るものは、一旦|命終《めいしゅう》の時に及....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
えたまま、いつもちょっと沈吟《ちんぎん》した。それからあたかも卒然《そつぜん》と
天上の黙示《もくじ》でも下《くだ》ったように、「これはこうでしょう」と呼びかけな....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
色《けしき》を示さなかった。いや、伝説によれば、愚物の吉助の顔が、その時はまるで
天上の光に遍照《へんしょう》されたかと思うほど、不思議な威厳に満ちていたと云う事....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
※陀多が頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い
天上から、銀色の蜘蛛《くも》の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細....
「葱」より 著者:芥川竜之介
いながら、世界のはてまでも燦《きら》びやかに続いているかと思われる。今夜に限って
天上の星の光も冷たくない。時々吹きつける埃風《ほこりかぜ》も、コオトの裾を巻くか....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
、まりやと云う名を与えていた。おぎんは釈迦が生まれた時、天と地とを指しながら、「
天上天下《てんじょうてんげ》唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《ししく》した事....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
憐《ごあいれん》、すぐれて御柔軟《ごにゅうなん》、すぐれて甘《うまし》くまします
天上の妃《きさき》」と同じ母になったのである。神父は胸を反《そ》らせながら、快活....
「竜」より 著者:芥川竜之介
とうに住んでいたかどうか、心得ていた訳ではございません。ましてその竜が三月三日に
天上《てんじょう》すると申す事は、全く口から出まかせの法螺《ほら》なのでございま....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うと彼の心には、新しい勇気が湧くような気がした。彼は枯木の下に跪《ひざまず》いて
天上の神々に祈りを捧げた。
その後《のち》彼はまた樅《もみ》の木陰《こかげ》へ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。生死は運動の方則のもとに、絶えず循環しているのである。そう云うことを考えると、
天上に散在する無数の星にも多少の同情を禁じ得ない。いや、明滅する星の光は我我と同....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
死に時が近づいたな。おれの声がお前には人間の声に聞えるのか。おれの声は低くとも、
天上に燃える炎の声だ。それがお前にはわからないのか。わからなければ、勝手にするが....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
二人がこの岩の上に来ると、鉄冠子は杜子春を絶壁の下に坐らせて、 「おれはこれから
天上へ行って、西王母に御眼にかかって来るから、お前はその間ここに坐って、おれの帰....