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「天下一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天下一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
他に妥当なる名前のつけ方がないことが、誰にも首肯されるに至った。さてこそまことに天下一大事、この事件にまさる大事件は有史五千年このかた記録にも予想にもなかったと....
深夜の市長」より 著者:海野十三
あ、川田さん……でしたネ。傷は勿論貫通銃創で、弾丸は外へ抜けています。川田さんは天下一の幸運児ですよ。ピストルの弾丸は、長頭膊筋を撃ち抜いていますが、その中には....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
りとは異なことを聞くものじゃの。この春彦が明日にもあれ、稀代の面をつくり出して、天下一の名を取っても、お身は職人風情と侮るか。 かつら 言んでもないこと、天下一....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
が、しかし、翌朝早く眼を覚ますと、にわかに空腹を覚えた。 「なるほど大仏の掌は、天下一の旅籠だが、朝飯を出さぬのが、手落ちだ。といって、あわてて上田の城を飛び出....
男女関係について」より 著者:大杉栄
た文章なり顔色なりを見て、すぐさまその人の心の奥底を洞察することにおいて、まさに天下一品とも称すべき批評家、僕はよくあの男のことをこんなふうに評価して多くのあき....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
日集まった患者のなかで口の軽そうな、話好きそうな婆さんを見ると、 「――この灸は天下一の名灸ではあるが、真実効をあらわそうと思えば、たった一つ守って貰わねばなら....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
十手を預っているかのように人は忌み恐れていた。 「生縄のお鉄は男の捕物に掛けては天下一で、あれに捕ったら往生だ。罪の有る無しは話には成らぬ。世にも不思議な拷問で....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
に開いて読んで行った。 不思議の一連が眼にうつった。 「人王九十五代ニ当ツテ、天下一|度乱レテ而テ主安カラズ。此時|東魚来テ四海ヲ呑ム。日西天ニ没スルコト三百....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
後を承けて奥州大半を虜掠したとあってみれば、曩祖頼義・義家の正嫡を承けて、すでに天下一統の形勢にある彼れ頼朝たるもの、いかんぞその臥榻の傍において、この夷人の鼾....
京都のごりの茶漬け」より 著者:北大路魯山人
獲れないのだ。にもかかわらず、佃煮にして食べようというのであるから、ごり茶漬けは天下一品のぜいたくといわれるのである。 今では、生きたのが一升二千円見当もする....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
日本を挙げてこれを論ぜん。シナには世界一の大川あり、その名を黄河という。日本には天下一の高山あり、その名を富士という。富士は日本人を教育し、黄河はシナ人を教育す....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
老人を見た最初から尊敬は出来なかったが決して憎めなかった。詩文の造詣と才は、全く天下一品だったので、その方の世話にだけあずかる積りで止宿を乞うていたのであるが、....
天下一」より 著者:小川未明
ました。 「つまらないものでしょうが……。」と、男は危ぶみながらいいました。 「天下一|品、安くて千|両の値打ちは請け合いです。」と、りこう者は感歎いたしました....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
がれいの洗いづくりの前には、関西のそれなど、とても及ぶものではない。私はめったに天下一品などと言おうとするものではないが、こればかりはどうしても天下一品と叫ばざ....
料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
いが、美味いもの食いは、言い合わしたように白子を美味がる。ふぐの白子などは誰しも天下一品と叫ぶものである。 (昭和八年)....