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天与
「天与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
さをみていると、この探検は、じつに|悪魔の尿溜攻撃にあるのではなく、ヤンを除く、
天与のまたとない機会のように思われてきた。密林、鰐のいる河、野獣、毒蛇。ここでは....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
けの交友は、僕たちにでなければわからない。所謂あたらしい男だけが味い得るところの
天与の美果である。この清潔の醍醐味が欲しかったら、若き詩人よ、すべからく当道場を....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、いまにわかりますから、というような余裕もあるのだが、才能のほうは、これこそ全く
天与のもので、いかに努力しても及ばぬ恐ろしいものがあるような気がしているのだ。そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、その水にしたたらして置くが習じゃ。」 四十二 「少年は味うて、
天与の霊泉と舌鼓を打っておる。 我ら、いまし少年の魂に命じて、すなわちその酒を....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いうのが、黙過されるだろうか。ソ連には、ここが明かになれば対印新攻撃路。おそらく
天与の好機と、期待しているにちがいない。がそれに反してイギリス側には、この秘境暴....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、山辺皇女は天智天皇の皇女、御母は蘇我|赤兄の女である。赤兄大臣は有間皇子が、「
天与知」と答えられた、その赤兄である。 ○ 豊国の鏡の山の....
「愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
メリカ婦人の真似をしなくてもいいようにしなければならぬと思うのである。婦人をその
天与の生理にも、心理にも合わない労働戦線に狩り出して、男子のような競争をさせるの....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
何よりも、職業人としての心構えの確立がプロ野球を今日あらしめたのである。野球を
天与の業として、嬉々と打ちこみ、つまらぬプレーを見せまいとして、ともかく全力をつ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
涙がにじんだ。私もあいての変ったことをみとめた。ずっと痩せて、以前私を惹きつけた
天与の快活さはずいぶん失われたが、そのやさしさと同情のこもったなごやかな顔のため....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
理に無用な場合が多い。 こういうと、きわめて日本料理は簡単に考えられるが、この
天与の天味を味わうということは、たかなかむずかしい。それはこれを知るひとがきわめ....
「伝不習乎」より 著者:北大路魯山人
体を掴むことが出来ないのは、本体のなんたるかを知らないからである。ひと口にいえば
天与がなく、誠実がないからである。しかし、僕がこういったからといって、世間にこれ....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
手な取締りをおこなっている。よしんば取締りを行うにしても、よろしく研究の上、この
天与の美味を生かすように配慮願いたいものである。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
幾千の谷を横断して流れ、安岳は幾百の州国を縦貫してそびえている。その地中にはなお
天与の富が埋蔵されており、民間に誰が国防の計画を考えるのであろうか。茫々とひろが....
「料理も創作である」より 著者:北大路魯山人
、私の狭い経験の範囲から言うのであるが、私の知っている数多の料理人のうちに、この
天与の特質を備えている人が、果して幾人あるであろうか。曰く新富ずしの主人、曰く丸....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
またもし勝利を得たりとするも戦後立つべからざる苦境に陥るべし。 3 露国の崩壊は
天与の好機なり。 日本は目下の状態に於ては世界を相手とし東亜の天地に於て持久....