天候[語句情報] » 天候

「天候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天候の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。 「当年は梅雨《つゆ》が長いようです。」 「とかく雲行きが悪いんで弱りますな。天候も財界も昨今のようじゃ、――」 お絹の夫も横合いから、滑かな言葉をつけ加え....
或る女」より 著者:有島武郎
なったその夕方の事だった。 その日の朝からなんとなく頭の重かった葉子は、それが天候のためだとばかり思って、しいてそういうふうに自分を説服して、憂慮を抑《おさ》....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
。家族はことごとく自分の二階へ引取ってくれ、牛は回向院の庭に置くことを諾された。天候|情なくこの日また雨となった。舟で高架鉄道の土堤へ漕ぎつけ、高架線の橋上を両....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
船は始終それを目あてにして進退をしなければならない。炭火が一つあげられた時には、天候の悪くなる印と見て船を停め、二つあげられた時には安全になった印として再び進ま....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
い白銀時代となり、既に冬や夏や秋が春と交代して現われるようになった。それで厳しい天候に堪えるために住家を建てる必要を生じた。すべてのものが悪くなったのが銅時代に....
春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
り足をのばして寝た。 三月二十四日。目を覚すと曇っているという声がする。小十が天候を見に出たが、危いという。がっかりしながら雪の上にはいだした。槍沢は曇った空....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
き船出を寿ぎ合ったのもほんの束の間、やや一|里ばかりも陸を離れたと覚しき頃から、天候が俄かに不穏の模様に変って了いました。西北の空からどっと吹き寄せる疾風、見る....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
述して面白い様な茶であったら、それはつまらぬこじつけ理窟か、駄洒落に極って居る、天候の変化や朝夕の人の心にふさわしき器物の取なしや配合調和の間に新意をまじえ、古....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
もその記載の事項が細大洩らさず綿密に認められたのを驚嘆せずにはいられない。毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物、到....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
米の収穫があると決まっているものではなく、いくら過不足なく施したにせよ、その年の天候いかんによってはなんらの甲斐もないことさえあったのだ。 それはなるほど思う....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
的巨人の御陰だろうとしみじみ感ぜられた。 標高千米突内外の筑波や箱根では、麓で天候を予想して登っても、大なる失策はなかろう、が三千米突以上の高山となると、山麓....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ありては父母の教育、家を出でては朋友の教育、学校の教育これなり。天然の教育とは、天候地勢、山川草木等、我人の体外に囲繞せる諸象、およびこれより生ずるところの万変....
西航日録」より 著者:井上円了
日より十三日まで四日間、市中一般に休業し、毎日寺院に参詣するを常習とす。このころ天候にわかに旧に復し、ときどき寒風雪を巻きて襲来するあり。あたかも日本の二月ごろ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
起こるも、どうして気にかける必要があろう、士気は前よりもさらにあがる。しばらくは天候の回復する日を待ち、極地に突進して先鞭をつけんとするのである。私は豪都シドニ....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
嘶きが聞えることもある。草刈が曳き後れた馬の嘶きである。時とすると秋天の変り易い天候が忽ちの間に四辺をかき曇らせ、見る見る霧のような小雨を運んで来ることもある。....