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「天分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
にさわった。が、癇にさわりながらも、やっぱり好奇心には動かされる。芸術家としての天分を多量に持っていた彼は、ことにこの点では、誘惑におちいりやすかったからであろ....
星座」より 著者:有島武郎
ようなことは断じてなかった。 清逸は小学校の三年を卒業する時から、自分は優れた天分を持って生れた人間だとの自覚を持ちはじめたことを記憶している。田舎の小学校の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いわれる人の心を私はこの点に於てさびしく物足らなく思う。彼は自分が授かっただけの天分を提げて人間全体をただ一つの色に塗りつぶそうとする人ではないか。その意気の尊....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の中に置かるる者もある。親子夫婦の間柄でも、一|所には決して住むものでない。その天分なり、行状なりが各自異うからである。但し逢おうと思えば差支ない限りいつでも逢....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
あろう。これと同時に霊媒の方でも、常に最大の注意と節制とを守るのが必要で、どんな天分の優れた人物でも、一たん堕落したが最後、碌な働きはできなくなるに決っている。....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ったこと感じたことをよくおぼえていて、それをはっきりと、言葉に書きあらわすだけの天分がある、そこらがちがうところです。でも、世間なみの気質から詩人の天分にうつる....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
大いに隆盛にしたい。僕一人の力だけでは到底どうなるわけのものではない。有力にして天分有る隠れたる作家が多数現われ、そこに科学小説壇というものを作り、お互いに研究....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
か彼にはそうした才能があつた。かくて彼の才能は迎えられた。実際はかかる才能は彼の天分のほんの一部分にしかすぎなかつたのだが、周囲は(おそらくは彼自身も)それに気....
画道と女性」より 著者:上村松園
もあるが、京都や大阪あたりの人達だと尚更、帝展などを見てそそり立てられて、自分の天分などのことも知りもしないで、ただもう軽い浮ッかりした虚栄心に駆られて、画家に....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ルゲーネフやドストエフスキーの後光が段々薄くなり出すと、これらの文豪に比べて遥に天分薄い日本の文人亜流――自分もその一人として――の文学三昧は小児の飯事同様の遊....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
いた。それにもかかわらず、後には若気の過失で後悔しているといった。自分には文学的天分がないと謙下りながらもとかくに大天才と自分自身が認める文豪をさえ茶かすような....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
も人に捕えられたる以上は、もがいても、あせっても、泣いても、叫んでも、熊としての天分を全うする能わざるべしと、本人の小熊は知らざるべきが、人から見れば憐れ也。人....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
、仲の好い二人も舞踊の事になるとまるで敵同志のように互いに鎬をけずッていた。が、天分のあるまゆみにはいくら努力しても百合子は足許にも追いつかなかった。 ところ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
なたにお目にかかれたらあの娘はどんなにか喜ぶことでしょう。――残念なことに音楽の天分はございませんが、それでも一生懸命の勉強と辛抱とで、どうやら貴方のお作りにな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
依り優れたる指揮能力を有する者が尠くない。また軍隊教育は平等教育を一抛し、各兵の天分を充分に発揮せしめ、特に優秀者の能力を最高度に発展せしむる事が必要であり、こ....