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天国
「天国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
ければならぬ。すなわちあらゆる問題はこの+のうちに含まれている。
六
天国
もし
天国を造り得るとすれば、それはただ地上にだけである。この
天国はもち....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
だ中に斜めに札《ふだ》が一枚懸っている。この札に書いてあるのは、――「煙草の煙は
天国の門です。」徐《おもむ》ろにパイプから立ち昇《のぼ》る煙。
....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
い。町はむしろ東京よりも住み心の好《い》いくらいである。ただラッサの市民の怠惰は
天国の壮観といわなければならぬ。きょうも妻は不相変《あいかわらず》麦藁《むぎわら....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
あなたの御側へ飛んで行くでしょう。いや、悪事ばかり働いたわたしは、「はらいそ」(
天国)の荘厳《しょうごん》を拝する代りに、恐しい「いんへるの」(地獄)の猛火の底....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
っても、彼等の決心は動かなかった。たとい皮肉は爛《ただ》れるにしても、はらいそ(
天国《てんごく》)の門へはいるのは、もう一息の辛抱《しんぼう》である。いや、天主....
「路上」より 著者:芥川竜之介
はく》している野村の愛と、あの小説の中にぶちまけてある大井の愛と――一人の初子に
天国を見ている野村と、多くの女に地獄《じごく》を見ている大井と――それらの間にあ....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
行人、教誨師《きょうかいし》等は四十八時間熟睡したそうである。その上皆夢の中に、
天国の門を見たそうである。
天国は彼等の話によると、封建時代の城に似たデパアトメン....
「少年」より 著者:芥川竜之介
いる。と思うと肩の上へ目白《めじろ》押しに並んだ五六人も乗客の顔を見廻しながら、
天国の常談《じょうだん》を云い合っている。おや、一人の小天使は耳の穴の中から顔を....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
なり了《おお》せることは何びとにも出来ることではない。勿論天運を除外例としても。
天国の民
天国の民は何よりも先に胃袋や生殖器を持っていない筈《はず》である。....
「或る女」より 著者:有島武郎
て等しく選ばれた神の僕《しもべ》となりうるのです。この道のほかには人の子の生活を
天国に結び付ける道は考えられません。神を敬い人を愛する心の萎《な》えてしまわない....
「星座」より 著者:有島武郎
。悲しいかなだ。真に悲しいかなだ。俺は罪人だからなあ。悔《く》い改めよ、その人は
天国に入るべければなり……へへ、悔い改めら、ら、られるような罪人なら、俺は初めか....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
中楼閣を描き出すようになる。そして、お前の衷には苦しい二元が建立される。霊と肉、
天国と地獄、天使と悪魔、それから何、それから何……対立した観念を持ち出さなければ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
顔は野獣のように見えた。いまに誰れか来て私を助けてくれる。堂母の壁画にあるような
天国に連れて行ってくれるからいいとそう思った。色々な宗教画がある度に自分の行きた....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の神は、自己の独子の犠牲によりて、初めてその怒りを解き、お気に入りの少数者のみを
天国に導き入れて、未来永劫、自己に対する讃美歌を唄わせて、満足の意を表している神....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
わたしていますと、ひょっくり鳩が歌い始めました。声も美しくエス・キリスト、さては
天国の歓喜をほめたたえて、重荷に苦しむものや、浮き世のつらさの限りをなめたものは....