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天才
「天才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天才の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
りも堪えがたい、落莫《らくばく》たる孤独の情をもたらした。彼は彼の尊敬する和漢の
天才の前には、常に謙遜《けんそん》であることを忘れるものではない。が、それだけに....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
人のように慇懃《いんぎん》である。これは少しも虚礼ではない。彼は粟野さんの語学的
天才に頗《すこぶ》る敬意を抱《いだ》いている。行年《ぎょうねん》六十の粟野さんは....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う意味を現わすのです。)と答えました。
「では百人の凡人のために甘んじてひとりの
天才を犠牲にすることも顧みないはずだ。」
「では君は何主義者だ? だれかトック君....
「彼」より 著者:芥川竜之介
本を貸してくれないか? 今度君が来る時で善《い》いから。」
「どんな本を?」
「
天才の伝記か何かが善い。」
「じゃジァン・クリストフを持って来ようか?」
「ああ....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
論桃太郎を孕《はら》んでいた実だけはとうに谷川を流れ去ってしまった。しかし未来の
天才はまだそれらの実の中に何人とも知らず眠っている。あの大きい八咫鴉《やたがらす....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
まるばかりなのです。
主筆 達雄はどう云う男なのですか?
保吉 達雄は音楽の
天才です。ロオランの書いたジャン・クリストフとワッセルマンの書いたダニエル・ノオ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。」
「そう、そう、君は犬が大嫌いだったっけ。ゲエテも犬が嫌いだったと云うから、
天才は皆そうなのかも知れない。」
土耳其帽《トルコぼう》は俊助の賛成を求める心....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
と斜めに通っていた。僕はこの深い轍に何か圧迫に近いものを感じた。逞《たくま》しい
天才の仕事の痕《あと》、――そんな気も迫って来ないのではなかった。
「まだ僕は健....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
最後に難陀婆羅《なんだばら》と伝えられる牧牛の少女と話している。
政治的
天才
古来政治的
天才とは民衆の意志を彼自身の意志とするもののように思われてい....
「或る女」より 著者:有島武郎
並みな通信文の多い中に、きわだって観察の飛び離れた心力のゆらいだ文章を発表して、
天才記者という名を博してめでたく凱旋《がいせん》したのであった。そのころ女流キリ....
「或る女」より 著者:有島武郎
にいて注文や買い物に時を過ごした。衣服や身のまわりのものの見立てについては葉子は
天才といってよかった。自分でもその才能には自信を持っていた。従って思い存分の金を....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
行った。或額縁屋の飾り窓はベエトオヴェンの肖像画を掲げていた。それは髪を逆立てた
天才そのものらしい肖像画だった。僕はこのベエトオヴェンを滑稽に感ぜずにはいられな....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
書きたき事は恒藤も詩を作れる事なり。当時僕等のクラスには詩人歌人少からず。「げに
天才の心こそカメレオンにも似たりけれ」と歌えるものは当時の久米正雄なり。「教室の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
実際、王立協会はファラデーが芽生で植えられた土地で、ここにファラデーは生長して、
天才の花は爛漫と開き、果を結んで、あっぱれ協会の飾りともなり、名誉ともなったので....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
水定吉の住んでいたことを覚えている。明治時代もあらゆる時代のように何人かの犯罪的
天才を造り出した。ピストル強盗も稲妻強盗や五寸釘の虎吉と一しょにこういう
天才たち....