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「天日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ろりと流れそうに、黄いろくなめらかに、むくんでいる。ことに、むしろの裂け目から、天日《てんぴ》のさしこんだ所で見ると、わきの下や首のつけ根に、ちょうど腐った杏《....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
てようとも、それは精々、己を不快にさせるくらいだ。いくら鳶が鳴いたからといって、天日《てんじつ》の歩みが止まるものではない。己の八犬伝は必ず完成するだろう。そう....
或る女」より 著者:有島武郎
は上下ともからからになって内紫《うちむらさき》という柑類《かんるい》の実をむいて天日《てんぴ》に干したようにかわいていた。それは見るもいたいたしかった。その口び....
星座」より 著者:有島武郎
られるとそこに気がついたのだ。そこで田に水を落す前に溜《たまり》を作っておいて、天日《てんぴ》で暖める工夫をしたものだが、それが図にあたって、それだけのことであ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、二千台の戦闘、偵察、攻撃、爆撃のあらゆる種類を集めた飛行機が一斉に飛び上った。天日は俄かに暗くなった。 これに対して、精鋭を謳われた皇軍の飛行機は、三百台ば....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
投弾して、もう市街は炎々と燃えていたのである。 ◯今朝、余燼が空中に在るせいか、天日黄ばんで見えたり。 ◯焼け跡も疎開も知らぬ桜哉 ◯分解の敵機も散るや花の....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
でに、既に数百の爆弾を翼下から地上に向け切りはなしていた。 爆煙は濛々として、天日を蔽った。土は、空中高くはね上り、樹木は裂け飛び、道路には大きな穴が明いた。....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
しい。都をば霞とともに出でしかど……一首を読むのに、あの洒落ものの坊さんが、頭を天日に曝したというのを思出す……「意気な人だ。」とうっかり、あみ棚に預けた夏帽子....
縁結び」より 著者:泉鏡花
赤らめながら、 「でも、お爺さん、あなたお濡れなさいましょう。」 「私は濡れても天日で干すわさ。いや、またまこと困れば、天神様の神官殿別懇じゃ、宿坊で借りて行く....
黒百合」より 著者:泉鏡花
たのが十七人、……お雪はその中の一人であった。 水は一晩で大方|退いて、翌日は天日快晴。四十物町はちょろちょろ流れで、兵粮を積んだ船が往来する。勇美子は裾を引....
作画について」より 著者:上村松園
らかに叫んだ水戸の先覚者、藤田東湖の歌を想い出すのです。 かきくらすあめりか人に天日の かゞやく邦の手ぶり見せばや 神風のいせの海辺に夷らを あら濤....
活人形」より 著者:泉鏡花
目立つほどのものにあらねば、誰も這入って見た者無し。 下枝は穴を這出でて始めて天日を拝したる、喜び譬えんものも無く、死なんとしたる気を替えて、誰か慈悲ある人に....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ドのローマ宗僧侶は、その生計の一半は奉職の給料より出でて、一半はヤソ降誕および昇天日等、信徒より献納せる布施、そのほか葬婚等の節得るところの謝礼より出ずるなり。....
西航日録」より 著者:井上円了
が大いに愉快とするところなり。よって、言文一致体の歌をつづりて、その喜びを述ぶ。天日は云ふに及ばず旗までも世界を照す今日の御代かな この郵船は、余が所乗の郵船....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
くで経を誦しているかとあやしむのであった。) 四月十六日(日曜)、晴れ。ヤソ昇天日なれども、日本船なれば、船中にて礼拝式を行わず。早朝よりフィリピン群島を望見....