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「天然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
と、一九《いっく》や三馬《さんば》はたいしたものでげす。あの手合いの書くものには天然自然の人間が出ていやす。決して小手先の器用や生《なま》かじりの学問で、でっち....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
衣《チョッキ》を着、膝ぎりしかないズボンをはいている。おまけに肩へ垂れているのは天然《てんねん》自然の髪の毛ではない。何か妙な粉《こな》をふりかけた麻色《あさい....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
シャンハイ》のあるカッフェだった。(彼はそれから半年《はんとし》ほど後《のち》、天然痘《てんねんとう》に罹《かか》って死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈《るり....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
し》の聳《そび》えたり、極楽鳥《ごくらくちょう》の囀《さえず》ったりする、美しい天然《てんねん》の楽土《らくど》だった。こういう楽土に生《せい》を享《う》けた鬼....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
とは何びとの記憶にも残っているであろう。 わたしの夢みている地上楽園はそう云う天然の温室ではない。同時に又そう云う学校を兼ねた食糧や衣服の配給所でもない。唯此....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
い単衣の襟をぐいと抜いて、「いかにおぬしが揣《おしはか》ろうともの、人間の力には天然自然の限りがあるてや。悪あがきは思い止らっしゃれ。」と、猫撫声《ねこなでごえ....
外科室」より 著者:泉鏡花
見たは今日がはじめてよ。どうもお育ちがらはまた格別違ったもんだ。ありゃもう自然、天然と雲上《うんじょう》になったんだな。どうして下界のやつばらが真似《まね》よう....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ような暑さ、冬の凍てつく寒さを防ぐために隠れ家を求めることが必要となった。土地の天然の収穫で満足していられなくなったので人間は耕作の術を発明した。 世は三度めぐ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
引きに、隠れたり、出たりして、凸凹凸凹凸凹と、累って敷く礁を削り廻しに、漁師が、天然の生簀、生船がまえにして、魚を貯えて置くでしゅが、鯛も鰈も、梅雨じけで見えん....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、鷭、鶺鴒、皆な我々と知己のようで、閑古鳥よりは可懐い。 山、海、湖などがもし天然の庭だったら、田圃はその小座敷だろう。が、何しろ好きでね、……そのせいか、私....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
道を通りましたが、何度通って見ても心地のよいのはこの街道なのでございます。それは天然の白砂をば何かで程よく固めたと言ったような、踏み心地で、足触りの良さと申した....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ドリューとつづけて呼んでいたようである。 やはり小屋で見た写真で、非常に美しい天然色映画を一本思い出す。 深い深い海の底へ主人公が泳いで行つて、竜宮のような....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
間によく考え、器械の準備をさせて置いたのである。 ファラデーの研究した大方針は天然の種々の力の区別を撤廃して一元に帰させようというのである。 それゆえファラ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
がないとも限らぬが、少しも気遣はない、無理に助けられたと思うと気が揉めるわ、自然天然と活返ったとこうするだ。可いか、活返ったら夢と思って、目が覚めたら、」といい....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
楽園と云うのだそうである。諸侯の別業で、一器、六方石の、その光沢水晶にして、天然に簫の形をしたのがある。石燈籠ほどの台に据えて見事である。そのほか篳篥などは....