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天然痘
「天然痘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天然痘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
シャンハイ》のあるカッフェだった。(彼はそれから半年《はんとし》ほど後《のち》、
天然痘《てんねんとう》に罹《かか》って死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈《るり....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
生《は》える毛を銭《ぜに》を出して刈り込ませて、私は頭蓋骨《ずがいこつ》の上まで
天然痘《てんねんとう》にやられましたよと吹聴《ふいちょう》する必要はあるまい。―....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
ないと言われよう。 年に二千人と言えば全国的に見て僅少かもしれないが、それでも
天然痘や猖紅熱で死ぬ人の数よりは多い。また年二億円の損失は日本の世帯から見て非常....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けれども。
それから、この近日うちに、私は種痘いたします、珍聞でしょう? 余り
天然痘が出ているから。そして市内の各方面からのひとの中に一定時間大体毎日いること....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
続者に当たる二人の姪《めい》を、両方とも一時に亡くしてしまったのだ。――どちらも
天然痘《てんねんとう》で同じ週に死んだのだ。すっかり取り乱してしまった夫人は、親....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
加拡散して国民の全階層にシンジュンいたした事が実証されます。まことに国防医学上、
天然痘、コレラ、マラリヤ、ペスト等と同等あるいはそれ以上に注意を払うべきことでは....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
どき恐しいことがあった。 日の出丸という、オットセイ猟船は、船員が、一人残らず
天然痘にかかって、全滅というときに、運よくも海岸に流れついて助かった。 また、....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
らのみじめな住居の煤や汚物、及びあわれな生活様式、なかんずく多数の人間を一掃する
天然痘の如き恐るべき伝染病がこれである1)。 1) See generall....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
|蘇格蘭《スコットランド》を襲った疫病《ペスト》の絶滅以後、最も致命的な伝染病は
天然痘であり、それは多くの地方では定期的に囘起し、他の地方では不定期的であるが、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ちょッと威儀を正して然るべきだが、そこが田舎豪傑たるところだ。もっとも幼児の時に
天然痘で片目がつぶれたそうだ。ヘタに威儀をはって片目のニラミがヤブニラミに見えて....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
のであるが、気にしないであろう。しかしそれだからといって、精神が活溌ならば高熱や
天然痘や疫病《ペスト》も気にしないですむということにはならない。
『それで心がい....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
え、キャラコさん。あなた、さっき門をあけた爺《じじい》を見た? ……あいつ、いま
天然痘にかかっているのよ。真症《ヴァリオラ》なの、ちょうど膿疱《のうほう》期だか....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
語られているのである。そんなかけ離れた武陵桃源境であるが為に、ここばかりはかつて
天然痘もはいった事がない。近ごろ種痘を強行しようと思うても、どうしても応じないの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
通常の病気で死んだ時分には誰でもやらないです。チベット人は非常に土葬を嫌う、ただ
天然痘で死んだ時分だけ土葬にするです。それは鳥に与れば鳥に伝染の憂があり、また川....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
老弱男女登山参拝するがごとき、婦女子が毎日黒衣をかぶりて寺院に参詣するがごとき、
天然痘の今なお流行して痘痕を有する人の多きがごとき、義務教育を実施せず、慈善事業....