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天籟
「天籟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天籟の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
る。銀波、銀砂に列なる千古の名松は、清光の裡に風姿を悉くして、宛然、名工の墨技の
天籟を帯びたるが如し。行く事一里、漁村|浜崎を過ぎて興|尚尽きず。更に流霜を逐ふ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
役に立つかも知れんと思うて……」 その語気に含まれた老人らしい謙遜さは、今でも
天籟の如く筆者の耳に残っている。 以下は筆者が直接翁から聞いた話である。 「世....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
て行く渡り鳥。……何んと平和ではありませんか。――谷川の音は自然の鼓、松吹く風は
天籟の琴、この美妙の天地のなかに胚胎まれた恋の蕾に虫を附かせてはなりません。――....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
例の鼓の音である。春陽のようにも温かく松風のようにも清らかな、人の心を平和に誘う
天籟のような鼓の音! 麟太郎の心に余裕が出来た。彼は穏かに微笑して訓すような口....