天草灘[語句情報] »
天草灘
「天草灘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天草灘の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
唯一の命脈と頼む原城《はらじょう》は、要害無双の地であった。搦手《からめて》は、
天草灘の波濤が城壁の根を洗っている上に、大手には多くの丘陵が起伏して、その間に、....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
れがして、先刻洗って来た、昨夕の白粉の痕が青く斑点になって見える。「……万里泊舟
天草灘……」と唯口の前だけ声を出して、大きく動かしている下腮の骨が厭に角張って突....
「天草の春」より 著者:長谷健
今朝来、内海は風ないで、いかにも春の海らしい静けさであつたが、ここから見はるかす
天草灘は、怒濤逆まくというほどではなくとも、波のうねりも荒く、内海が雌ならば、外....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
切り立つように嶮しい断崖です。その断崖の真下に打ち寄せて来る波は、千千石湾から
天草灘を越えて――万里舟を泊す天草の灘、と、頼山陽の唄ったあの天草の灘から、遠く....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
島郷の七人衆の原士、あの方々も寛永の昔、島原の一|揆戦がみじめな敗れとなった時、
天草灘から海づたいに、阿波へ漂泊してきた落武者の子孫なのでございました。 孫兵....