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天蓋
「天蓋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天蓋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
おおぜい》の見物が取り巻いている。そのまた見物の向うの空には、墓原の松が五六本、
天蓋《てんがい》のように枝を張っている。
一切《いっさい》の準備の終った時、役....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た。その上方には不動な天の穹窿が横たわり、それに星辰が固定されていた。しかしこの
天蓋までの高さは余り高いものではなく、鳥類はそこまで翔け昇り、それに沿うて飛行す....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
世紀にできた宇治の鳳凰堂には今もなお昔の壁画彫刻の遺物はもとより、丹精をこらした
天蓋、金を蒔き鏡や真珠をちりばめた廟蓋を見ることができる。後になって、日光や京都....
「食魔」より 著者:岡本かの子
は一ぱいで猶太人の古物商の小店ほどはあった。 彼はその部屋の中に彼が用いつけの
天蓋附のベッドを据えた。もちろん贋ものであろうが、彼はこれを南北戦争時分にアメリ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
見えた。その電車は床の上に何本かの柱があって風通しの為めに周りの囲い板はなく僅に
天蓋のような屋根を冠っているだけである。癒し難い寂しい気持ちが、私の心を占める。....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
たしてできるであろうか)それを考えると、三根夫は気がめいってきた。 問題の
天蓋 三根夫が、へんな顔をして、ふさぎこんでしまったので、ハイロは心配して、声....
「火星兵団」より 著者:海野十三
円形の広間へ出た。すばらしい高い天井、うつくしいかべ、そうして、見事な望遠鏡が、
天蓋の間から、夜の大空へ向いている。
「千二、新田、望遠鏡で見なくても、肉眼でよ....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
イ軍曹は、渋面をつくっている。 「じゃあ、僕があけよう」 沖島は、そういって、
天蓋のハンドルに手をかけて、力一杯ぐるぐるとまわした。 すると、さっと、白い光....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
か。 足袋の、そんなに汚れていないのが、まだしもであった。 蜀紅の錦と言う、
天蓋も広くかかって、真黒き御髪の宝釵の玉一つをも遮らない、御面影の妙なること、御....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ね……」 お桂さんが引返そうとした時、歩手前の店のは、白張の暖簾のような汚れた
天蓋から、捌髪の垂れ下った中に、藍色の片頬に、薄目を開けて、片目で、置据えの囃子....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まって、しっぽをかみあっているものでした。いすの上に、ばらいろのくもの巣でおった
天蓋がつるしてあって、それにとてもきれいなみどり色したかわいいはえが、宝石をちり....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
奴が第一流の俳優になる。だから君、火星のアアビングや団十郎は、ニコライの会堂の円
天蓋よりも大きい位な烏帽子を冠ってるよ』 『驚いた』 『驚くだろう?』 『君の法....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
と聞く。家々の紋づくしと見れば可い。 天人の舞楽、合天井の紫のなかば、古錦襴の
天蓋の影に、黒塗に千羽鶴の蒔絵をした壇を据えて、紅白、一つおきに布を積んで、媚か....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
巻いたり、水引で結んだり、で引いて見ましたが、扉は錠が下りています。虹の帳、雲の
天蓋の暗い奥に、高く壇をついて、仏壇、廚子らしいのが幕を絞って見えますが、すぐに....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
細道岩坂|辿り、辿りついたはその松の蔭。かげの夫婦は手で抱合うて、かくす死恥旗|
天蓋と、蛇目傘開いて肩身をすぼめ、おとせ、あれあれ草葉の露に、青い幽な蛍火一つ、....