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天賦
「天賦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天賦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
がいえる。これは考えものだ」
「葉子さんという人は兄がいうとおりに優《すぐ》れた
天賦《てんぷ》を持った人のようにも実際思える。しかしあの人はどこか片輪《かたわ》....
「星座」より 著者:有島武郎
て、それだけのことであんな一代|分限《ぶげん》になり上ったのだ。人ってものは運賦
天賦《うんぷてんぷ》で何が……」
そのあとは声が落ち着いていくので、かすれかす....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
特にその思考能力、理解の早さ、概念の鋭さ活発さ、連想の力、処理の早さ等、要するに
天賦の完全さは、彼らの住所が太陽から遠いほど増加するはずである、というのである。....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
法理の上より君主政体の正しきを説き、共和主義の臭味を排斥せんと試みたり、彼かつて
天賦人権論を説きて世の純理民権説に反対したり。しかれどもこの論派は経済論派に比す....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な娘だな。おまえは自分に反対すれば、いかなる力も敵を利することが出来ないような、
天賦の能力をあたえられたのを、悲惨だと思うのか。最も力の強い者をも、ひと息で打ち....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は、死後直ちに上界に進むか?』 貴重なる地上生活の二つである。帰幽せる小児は、
天賦的に前者を具えていることもある。が、後者は是非とも之を教育の力に待たねばなら....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
の間で軽蔑せられ、淘汰されて滅びて行く。 だから女性の人生における受持は、その
天賦の霊性をもって、人生を柔げ、和ませ、清らかにし、また男子を正義と事業とに励ま....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
なって化粧する場面を見せたなどは、芝居の方からは謂わば邪道である。歌右衛門がその
天賦の麗質によほどの自信があったからでもあるが、それを又人々が喜んだのだった。思....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
聴衆の内には、すでに「無為にして滅ぶ」「吾らはただにその生命ばかりでなく、祖国否
天賦の大塊をも破滅せらるるのか」などという、絶望的の歎声さえ起って、さしもに広い....
「荘子」より 著者:岡本かの子
二人は渾沌に日に一竅ずつを鑿った。そしたら七日目に渾沌は死んでしまった。=どうだ
天賦自然の性質をためようなんて量見は間違っていよう。荘先生がお聞きになったら却っ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
もゾルレン癖から、かつては他人を責め裁く心の烈しかったものです。しかし今は人間の
天賦の性格のよほど運命的なものであることを知ってきましたから、むしろそのたたかい....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
になったのはどういう理由であるかというお尋ね。「それは人民を充分強健に教育して、
天賦の愛国心を発揮せしめたからであります。しかし国を出でてより長い事であるからこ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
形勢を一掃したであろう。だが、危険や敵意に直面したとき、真に彼女を動かすものは、
天賦の日和見性だった。もしウォンステッドの方向に当たって真に危険が存するなら、―....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
かに、草原は海のごとくひろびろとして望めども見窮めることはできない。近い将来には
天賦の富を得る道を開かんと願い、無人の境に汽車は行くのである。) 午後五時着駅....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
ろには、彼等の天性の美を見ることも出来なければ、造物主が彼等によって示さんとした
天賦の叡智、敏感、正直さというようなものも、ついに知られずにしまったのであります....