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「天道様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天道様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
ば、息をかけて獣《けもの》にするわ、殊にその洪水以来、山を穿《うが》ったこの流は天道様《てんとうさま》がお授けの、男を誘《いざな》う怪《あや》しの水、生命《いの....
オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
て、まだ見た事もない山や河や森や家が見えて来ると一所に、向うの雲の間から真赤なお天道様がピカピカ輝きながら出て来ました。そうしてそこいら一面に咲いている花も照ら....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
ないことですので、お一人で気軽に外出なさることもよくございましたけれども、一旦お天道様が沈んでからというものは、一人でお出掛けになったことなど、決してございませ....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
生なんです。 で、事件と云うのは……日附を忘れましたが、なんでも七月の、まだお天道様がカンカンしてる暑い頃のことでして……日本橋の北島町で、坂本という金貸の家....
転機」より 著者:伊藤野枝
らかの知識も持っている。意気地がないという、その多数の人達にはそれがない。単に「天道様が見ていらっしゃる」くらいの強いられた、薄弱な拠り処では、彼等の受けている....
黒百合」より 著者:泉鏡花
大事にするものを取って来るのは何でもないが、私がいう宝物は、山の霊、水の精、また天道様が大事に遊ばすものもあろう。人は誰も咎めないが、迂濶にお寄越しはなさらない....
」より 著者:井上紅梅
は承知しております。――瑜ちゃんや、可憐そうにお前はあいつ等の陥穽に掛ったのだ。天道様が御承知です、あいつ等にもいずれきっと報いが来ます。お前は静かに冥るがいい....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
だえこれは壺じゃアねえか。呆れもしねえ莫迦にしていやがる。小判の箱かと思ったに。天道様も聞こえませぬ。一体どおしてくれるんだい。旅費を使って江戸くんだりから、わ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
いわよ。……お前が悪かったことに気がついて、本当のことをちゃんと白状したから、お天道様が生き返らせて下さったのよ。きっと、そうよ。お天道様はいつでもいい子の味方....
おせん」より 著者:邦枝完二
|度張ったら、いう目が出ての俄分限での、急に今朝から仕事をするのがいやンなって、天道様がべそをかくまで寝てえたんだが蝙蝠と一|緒に、ぶらりぶらりと出たとこを、浅....
入れ札」より 著者:菊池寛
連れて行きてえのは山々だが、お役人をたたっ斬って、天下のお関所を破った俺達が、お天道様の下を、十人二十人つながって歩くことは、許されねえ。もっとも、二三人は、一....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
と負って来て届かねえ介抱をしてみたが、いや半間な手が届いたのもお前の運よ、こりゃ天道様のお情というもんじゃ、無駄にしては相済まぬ。必ず軽忽なことをすまいぞ、むむ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
という今日、脂を取んなさるこたあねえ、食潰しの極道にゃあ生れついて来たんだもの、天道様だって数の知れねえ人形を拵えるんだ、削屑も出まさあね、」と正直なだけに怒り....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うもこんな所で雨に降出されては困る」といって、私の下僕は非常に怒って居りまして「天道様があるならば日和にしてくれればよいのに困ったものだ。荷物が湿って重くなって....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
「……高き屋に登りて見れば煙のみ、立つぞ悲しき。真昼にも、ガスや電燈の力借り、天道様の顔もみず、色青白く頸長く、青息吐息に血を混え、吐くぞ悲しき浪花津の肺病娘....