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太刀
「太刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
腕を組んでたたずんだ、十七八の若侍で、これは、朽ち葉色の水干に黒鞘《くろざや》の
太刀《たち》を横たえたのが、どういうわけか、しさいらしく、小屋の中をのぞいている....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
に伝三を疲らせつつ、打ちかくる鍬を引きはずすよと見る間《ま》に、伝三の肩さきへ一
太刀《ひとたち》浴びせ、……
「逃げんとするを逃がしもやらず、拝《おが》み打ちに....
「春」より 著者:芥川竜之介
それは恬然《てんぜん》と切りこんで来る妹に対する苛立たしさでもあれば、だんだん受
太刀《うけだち》になって来る彼女自身に対する苛立たしさでもあった。彼女は篤介の油....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ます。根来寺《ねごろでら》の塔に住んでいたのも、殺生関白《せっしょうかんぱく》の
太刀《たち》を盗んだのも、また遠い海の外《そと》では、呂宋《るそん》の太守を襲っ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
とあれば容赦《ようしゃ》はせぬ。一足でも門内にはいったが最期《さいご》、平太夫が
太刀《たち》にかけて、まっ二つに斬って捨てるぞ。」と、噛みつくように喚《わめ》き....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
そう云う心もちを直覚すると、急に相手が憎《にく》くなった。そこで甚太夫がわざと受
太刀《うけだち》になった時、奮然と一本突きを入れた。甚太夫は強く喉《のど》を突か....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
之の首を実検した。そのまた首の左右には具足をつけた旗本《はたもと》が二人いずれも
太刀《たち》の柄《つか》に手をかけ、家康の実検する間《あいだ》はじっと首へ目を注....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
愛想《あいそ》をつかしていた時だったから、一刻も早く追い出したさに旗《はた》とか
太刀《たち》とか陣羽織《じんばおり》とか、出陣の支度《したく》に入用《にゅうよう....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
思うかも知れません。しかし身の丈《たけ》六尺五寸、体重三十七貫と言うのですから、
太刀山《たちやま》にも負けない大男だったのです。いや、恐らくは
太刀山も一籌《いっ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
に纏《まと》い、枝つきの竹を差《さ》し物《もの》に代え、右手《めて》に三尺五寸の
太刀《たち》を抜き、左手《ゆんで》に赤紙の扇《おうぎ》を開き、『人の若衆《わかし....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
たにしても、どうせ死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた聖柄《ひじりづか》の
太刀《たち》が鞘走《さやばし》らないように気をつけながら、藁草履《わらぞうり》を....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
駄《あしだ》ももうその時には脱《ぬ》いで居ったようでございまする。と、二《に》の
太刀《たち》が参りました。二の
太刀はわたくしの羽織の袖《そで》を五寸ばかり斬り裂....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
同じ河の流れにしても、幅の広い所を飛び越えようとした。時によると不運な若者は、焼
太刀《やきだち》のように日を照り返した河の中へ転《ころ》げ落ちて、眩《まば》ゆい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
知れず、声をかけて、斬りつけたものがある。驚いて、振り返ると、その拍子にまた二の
太刀が、すかさず眉間《みけん》へ閃《ひらめ》いた。そのために血が眼へはいって、越....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
まばえ》が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りましたっけ。
太刀《たち》か何かは見えなかったか? いえ、何もございません。ただその側の杉の根....