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太刀風
「太刀風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太刀風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
過ぎたと思う頃に、足早に次郎左衛門の後をつけて来た者があった。と思うと、抜打ちの
太刀風に彼は早くも身をかわした。武芸の心得のある彼は路ばたの立ち木をうしろにして....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らずに、右門のわざと見せた小手のみだれへ、あせりながら相手がつけ入ってきたので、
太刀風三寸の下に左へぱっと体を開くと、一閃《いっせん》するや同時に、右門のここち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に、ひと筋の手槍が暗いなかを縫ってきて、おげんの胸を突き透した。つづいて颯という
太刀風が彼女の小鬢をななめに掠めて通った。 澹山はもうその時、おげんの背後には....
「地球盗難」より 著者:海野十三
かったような気がした。 およそ二十歩も前進したと覚しき頃であった。身近くに何か
太刀風のようなものを感じたので、ハッと身を沈めようとしたが、もう間に合わなかった....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ったとは云え――。 トルストイの「戦争と平和」なぞ、その当時、「自由の旗名残の
太刀風」の題下に翻訳されたのであった。その他主なるものの数種を挙げるならば、 ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
が――」 「はあ、それもやってみました」 「やった?」 「はい、ちょうど駆逐艦|
太刀風が、鹿島灘の東方約二百キロメートルのところを航海中でありましたので、それに....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
日本刀でざくりと斬りさげられるだろうと覚悟をして、両眼を閉じた。 だが一向に、
太刀風が聞えてこない。提督は不思議に思って、眼を細目にひらいてみた。川上は刀をさ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ヘシ折れる。 岩見重太郎は当るを幸いに撫斬りをする。 最初の幕から、重太郎の
太刀風に倒れた人の数を丹念に数えていた見物の一人が、あるところに至って算盤《そろ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
スタスタと寄って来てはサッ! と打ちこむ。法を無視しておのずから法にかなった凄い
太刀風であった。
これが、平素から弄剣《ろうけん》に堕す気味のある左膳の胆心《....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
室の中へ突き入りました。果して私の背を掠めて、正しく扉口の左側から切り込んで来た
太刀風が、鋭く横顔に感じましたが、既に其時は機先を制して私は室の中に居たのでした....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
を捨てて、これも刀を抜き揃えて、女の一団と切り結んだ。 しかし女の一団の、鋭い
太刀風に切り立てられ、二、三間後へ退いた。と、見てとった女の一団は、侍達を追おう....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
切り仆されたが、紋太夫も体へ一、二箇所傷を負わざるを得なかった。 この凄まじい
太刀風にまたもや土人軍は退却したが、その時忽然地下道を震わせ轟然たる大音響が鳴り....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
え何をする勿体ねえ」 男は屈んで拾おうとした。そこを狙って片手の抜き打ち。その
太刀風の鋭さ凄さ。起きも開きも出来なかったかがばとそのままのめったが、雪を掬って....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
目の登場人物が、声も掛けず抜き打ちに、みすぼらしい侍へ切り付けたのであった。その
太刀風の鋭いこと、闇をつんざいて紫電一条斜めに走ると思われたが、はたしてアッとい....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
ていても知る。大工はさげふりと差金で柱や桁を測る。彫刻家は眼の触覚が掴む。所謂|
太刀風を知らなければ彫刻は形を成さない。 彫刻家は物を掴みたがる。つかんだ感じ....