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太郎
「太郎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
太郎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
の丸い、口の大きな、どこか蟇《ひき》の顔を思わせる、卑しげな女である。
「おや、
太郎さんか。」
日の光にむせるような声で、こう言うと、老婆は、杖をひきずりなが....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
時宜《じぎ》なさい」と声をかけた。男の子は勿論《もちろん》玄鶴がお芳に生ませた文
太郎だった。その子供をお芳が「坊ちゃん」と呼ぶのはお鈴には如何にも気の毒だった。....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
欝《ゆううつ》な気分の中に、いつまでも鎖《とざ》されていたことであろう。が、孫の
太郎は襖を開けるや否や、子供のみが持っている大胆と率直とをもって、いきなり馬琴の....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
―そうさな、まあ一言《いちごん》にいえば、風流愛すべき好男子だろう。」
「若槻峯
太郎《わかつきみねたろう》、俳号《はいごう》は青蓋《せいがい》じゃないか?」
....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
る。六十何銭かは堀川保吉に精神的|饑渇《きかつ》の苦痛を与えた。けれども粟野|廉
太郎《れんたろう》には何の痛痒《つうよう》をも与えないであろう。
「堀川君。」
....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
々《すごすご》綱利の前を退いた。
それから三四日経ったある雨の夜《よ》、加納平
太郎《かのうへいたろう》と云う同|家中《かちゅう》の侍が、西岸寺《さいがんじ》の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ているだけだった。
「どうもお律《りつ》の容態《ようだい》が思わしくないから、慎
太郎《しんたろう》の所へ電報を打ってくれ。」
「そんなに悪いの?」
洋一は思わ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
せて見よと御意あり。清八は爾来《じらい》やむを得ず、己《おの》が息子《むすこ》清
太郎《せいたろう》の天額《てんがく》にたたき餌《え》小ごめ餌などを載せ置き、朝夕....
「白」より 著者:芥川竜之介
切《ふみきり》を通過する際、踏切番人の過失に依《よ》り、田端一二三会社員|柴山鉄
太郎《しばやまてつたろう》の長男|実彦《さねひこ》(四歳《しさい》)が列車の通る....
「少年」より 著者:芥川竜之介
た後、母はどこかへ行った帰りに「日本昔噺《にほんむかしばなし》」の中にある「浦島
太郎《うらしまたろう》」を買って来てくれた。こう云うお伽噺《とぎばなし》を読んで....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
中右の脇腹まで筋違《すじかい》に一尺五寸ばかり」である。そこで、当番御目付土屋長
太郎、橋本|阿波守《あわのかみ》は勿論、大目付|河野豊前守《こうのぶぜんのかみ》....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
僕の知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三に久保田万
太郎君なり。この三君は三君なりにいずれも性格を異にすれども、江戸っ児たる風采と江....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
滝田君はいつも肥っていた。のみならずいつも赤い顔をしていた。夏目先生の滝田君を金
太郎と呼ばれたのも当らぬことはない。しかしあの目の細い所などは寧ろ菊慈童にそっく....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
も、のべつ幕なしに議論をしたり。しかも議論の問題となるものは純粋思惟とか、西田幾
太郎とか、自由意志とか、ベルグソンとか、むずかしい事ばかりに限りしを記憶す。僕は....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
昔、ある北の国の山奥に一つの村がありました。その村に伊作、多助、
太郎右衛門という三人の百姓がありました。三人の百姓は少しばかりの田を耕しながら、....