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失
「失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《ざっとう》した仲店《なかみせ》を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え
失せない。門の前に飛びかう無数の鳩《はと》。
2
雷門....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
た》はまた己の弟が、何かお前に礼をするだろう。」と言って、前のようにどこかへ消え
失せてしまいました。
するとあくる日は、まだ、笛を吹くか吹かないのに、赤い勾玉....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
。もっとも恋愛の円満《えんまん》に成就《じょうじゅ》した場合は別問題ですが、万一
失恋でもした日には必ず莫迦莫迦《ばかばか》しい自己犠牲《じこぎせい》をするか、さ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
体得して見ると、畢竟《ひっきょう》腰の吊《つ》り合《あい》一つである。が、今日は
失敗した。もっとも今日の
失敗は必ずしも俺の罪ばかりではない。俺は今朝《けさ》九時....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
窓から、寂しい往来を眺めているのです。 「何を見ているんだえ?」 恵蓮は愈色を
失って、もう一度婆さんの顔を見上げました。 「よし、よし、そう私を莫迦にするんな....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
つか僕は仕事をしかけた犬養君に会った事があった。その時僕の見た犬養君の顔は(若し
失礼でないとすれば)女人と交った後のようだった。僕は犬養君を思い出す度にかならず....
「狂女」より 著者:秋田滋
い夢ばかり見つづけていたのだろうか。それともまた、思想というものが跡形もなく消え
失せてしまって、流れぬ水のように、一ところに澱んだままになっていたのだろうか。 ....
「墓」より 著者:秋田滋
その声はあなたに幸福の波を浴びせるのです。 ところで、そのひとが一朝にして消え
失せてしまうのです。ああ、考えてもみて下さい。そのひとはただあなたの前から消え去....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
と我が命を断たしめるのは、いかなる深刻な懊悩、いかなる精神的苦痛、傍目には知れぬ
失意、劇しい苦悶がその動機となっての結果であろうか? こうした場合に世間ではよく....
「初雪」より 著者:秋田滋
屋敷の空気がいよいよ辛くなって来た。人間は齢を重ねるにつれてその肉体から温かみが
失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、幾世紀かの年月を閲....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
実歴したる着実らしき事を交えて書送りたり。折返して今度は伯父よりの手紙に、学資を
失いて活版職工となりしよし驚き気遣うところなり、さらに学資も送るべし、また幸いに....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いでしょうか。」「新しい事は、これ以外には別にない」と言うたら、ファラデーは多少
失望して見えた。 ファラデーがある事実を知るのには、充分満足するまでやって見る....
「寡婦」より 著者:秋田滋
それからどうしたのか、もう覚えがありません。私はきゃッと叫んでから、おそらく気を
失って倒れてしまったに違いありません。それから、館へ駈けて行ったのでしょう。気が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
った。先生はつい一日二日前に四半年分の給料を受けとったのだが、有り金はのこらず、
失踪のときに身につけていたにちがいなかった。 このふしぎな事件は、次の日曜日、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
だと申立てた。そんなことを誰が信じる。 十月二十八日―― あまりのことに度を
失い、甥は犯さぬ罪を己の犯行として自白しかかった。ああ。正義よ。 十一月十五日....