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失する
「失する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
失するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するには我々は余りに時代が近すぎる。そのために一〇〇年以前の世紀との比較に正鵠を
失する恐れがないとは言われないが、しかしともかくも自然界に関する吾人の知識が今日....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
文字どおりはれものにさわるような繊細な心づかいを要する。なかんずく俳優が自信を喪
失する誘因になるような言動は絶対に慎しまなければならない。 演技指導とは俳優を....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
見されないのである。 だからこの協定もある温度のもとにおいてはあとかたもなく消
失するある種の化合物に似ている。 我々は必ずしもあらゆる場合に従業員側の行動を....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
僕は再び中庭の花壇に立った。あのような立派な高塔が一夜のうちに、煙のように消
失するわけがない。あの塔が消えてなくなれば、速水輪太郎はどうなるのだろうか。あれ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ることであろうか。それを思うと、私は電鍵《でんけん》に手をふれる勇気が、一時に消
失するのを覚える。 でも、私は、ついに主幹スイッチを入れた。パイロットランプが....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
なった。――時々未練に娘を覗いて、赤潮に追払われて、醜く、ふらふらと生白く漾うて
失する。あわれなものだ。 娘は幸福ではないのですか。火も水も、火は虹となり、水....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、針を使ってさえ始める時と了う時には、ちゃんと数を合わせるものだ。それでもよく紛
失するが、畳の目にこぼれた針は、奈落へ落ちて地獄の山の草に生える。で、餓鬼が突刺....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
くなったのだそうである。 そこで、はじめて気がついたと云うのでは、まことに礼を
失するに当る。が、ふとこの城下を離れた、片原というのは、渠の祖先の墳墓の地である....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は余りにも高きに過ぎる。地上の人間として、そこまで考えようとするのは、蓋し早きに
失する。地上人として関心を有するのは、無限の生命のホンの入口――死及び死後の生命....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
普通のコンディションのもとに置いてみないでいきなり評価を定めるのはいささか短慮に
失するキライがありはしないか。 さて現在の日本のトーキーの製作状態は大体におい....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
勘定だけれど、数のあるこッたから、念にゃあ念を入れて毎日一度ずつは調べるがね。紛
失するなんてえ馬鹿げたことはない筈だが、聞きなせえ、今日だ、十九日というと不思議....
「迷信解」より 著者:井上円了
にある物が棚の上に移り、また座敷の物が台所に転ずることがある。したがって、物の紛
失することが起こる。中には箪笥、長持の中にある衣類が切断されておることがある。こ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
することあるも、自ら識覚せざる事情をいう。 第五は、心性、思想の激動して感覚を
失する事情にして、例えば火事のとき、また酩酊のときは、自らなにをなしたるかを識覚....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
す。すなわち、懇切丁寧をもって人の愛を買うものにして、しからざればたちまち名望を
失するなり。 米国の寺院は、他教会もしくは他邦の人その会堂に至るときは、はなは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
明の程度は、アルゼンチンよりも十年間おくれおるという。また、郵便物の延着または紛
失すること多きは、わが国と同じからず。要するに、世界文明の中心を欧州とするときは....