失敗[語句情報] » 失敗

「失敗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

失敗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
足に砂を蹴上《けあ》げながら真一文字に追いすがった。 が、彼のこの企ては、単に失敗したというだけの事ではない。実はそれがために、かえって虎口《ここう》にはいる....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
の話の主題ではない。が、大体を明かにすれば、伝吉は維新《いしん》後材木商を営み、失敗に失敗を重ねた揚句《あげく》、とうとう精神に異状を来した。死んだのは明治《め....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
て勝っているです。私に云わせると、それが卑怯《ひきょう》だと思うのですな、自分の失敗を天にかずける――天こそいい迷惑です。それも烏江《うこう》を渡って、江東の健....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しみに、久しい以前から親んでいる。それらの物を見るにつけても、彼はおのずから今の失敗が、彼の一生の労作に、暗い影を投げるような――彼自身の実力が根本的に怪しいよ....
「春」より 著者:芥川竜之介
「大村は電話で求婚したの。可笑《おか》しいでしょう？ 何《なん》でも画《え》に失敗して、畳の上にころがっていたら、急にそんな気になったんですって。だっていきな....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
活の細目《さいもく》を根気よく書いてよこしました。今年は朝顔の培養《ばいよう》に失敗した事、上野《うえの》の養育院の寄附を依頼された事、入梅《にゅうばい》で書物....
「河童」より 著者:芥川竜之介
す。 しかし河童の国から帰ってきた後、ちょうど一年ほどたった時、僕はある事業の失敗したために……（Ｓ博士《はかせ》は彼がこう言った時、「その話はおよしなさい」....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
分の力の許す範囲で、少しは大きなものにぶつかりたい。計画がないでもないが、どうも失敗しそうで、逡巡《しゅんじゅん》したくなる。アミエルの言ったように、腕だめしに....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼の河へ落ちた所は、ほかの若者たちがいる所と大して離れていなかった。だから彼の失敗はすぐに彼等の目にもはいった。彼等のある者はこれを見ると、「ざまを見ろ」と云....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
処女崇拝 我我は処女を妻とする為にどの位妻の選択に滑稽《こっけい》なる失敗を重ねて来たか、もうそろそろ処女崇拝には背中を向けても好い時分である。 ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
を再び看《み》ることは、鬼神《きじん》が悪《にく》むのかと思うくらい、ことごとく失敗に終りました。が、今は王氏の焦慮《しょうりょ》も待たず、自然とこの図が我々の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
体得して見ると、畢竟《ひっきょう》腰の吊《つ》り合《あい》一つである。が、今日は失敗した。もっとも今日の失敗は必ずしも俺の罪ばかりではない。俺は今朝《けさ》九時....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
にも違いなかった。この硯を僕に贈ったのは或若い事業家だった。彼はいろいろの事業に失敗した揚句、とうとう去年の暮に破産してしまった。僕は高い空を見上げ、無数の星の....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
しまったの？」 遠藤は婆さんの屍骸から、妙子の顔へ眼をやりました。今夜の計略が失敗したことが、――しかしその為に婆さんも死ねば、妙子も無事に取り返せたことが、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その自殺を何か金銭上の失敗の結果ではあるまいかと考えてみる。結局たしかなところを突止めることは出来ない....